「常楽寺」訪問記
「鎌倉シニア通信」の刊行が始まった。
この中の目玉記事の一つが、 鎌倉の寺院を訪問する「鎌倉のお寺さん」。
第二回の訪問先は「粟船山常楽寺」。
(ぞくせんざんじょうらくじ)
3月半ばの訪問だった。
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常楽寺は、JR大船駅から東側へ約1.5キロの場所にある。
江ノ電バス(鎌倉行)もしくは江ノ電バス(今泉循環)で、
四つ目のバス停「常楽寺前」下車。
バス通りから、120m位奥にはいったところに山門があり、境内は不思議なほど静かだ。 茅葺きの山門を入ると境内では、この時期、しだれ桜やボタンのつぼみがふくらみ、そこここに芽吹きが見える。注意しないと見えないところにひっそりとスミレが咲いていたりする。
圧巻は、境内の中央にある大イチョウの樹だ。 周囲何メートルもありそうな元の幹は朽ちているが、それを守るように若木が林立し、新緑や黄葉の時はそれは見事な光景になりそうだ。
正面の仏殿まで続く境内は、自然そのままのように見えながら、ちいさな草木をも愛育する住職の心ばえが行き届き、何かほっとする空間になっている。
本堂左手のお庭は池を中心にした庭造りがされていて、またちがった印象になっている。 背後の粟船山の、自然のままにのびのびと育った樹々が、周囲の開けた住宅地の気配を遮断して、寺の静かなたたずまいを保っているようだ。
普段は入れない本堂にご案内いただき、ご本尊、釈迦如来像、乙護童子、蘭渓道隆像を見せていただく。また、板榜(ばんぼう)といわれる古い板や、禅僧の修行の心得を彫ったものの拓本の説明もしていただいた。
お庭に出て、仏殿の阿弥陀三尊と天井の雲龍を見る。これも知らなければ気付かないものだ。仏殿のすぐ後ろの北条泰時公墓、大応国師の墓、・・・をお参りする。
境内を出て、山門の左にあるわき道を辿り、小山を登ると、その上にひっそりと木曽義高の墓がある。
ご住職が四季折々の自然の風情を大切にし、お寺をお守りしておられるお姿に接し、取材で境内を移動する“あしもと”の草木にも親しみを感じた。
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