「太極拳の紹介」


太極拳とは

太極とは、中国の哲学用語で、宇宙万物を生み出す根源を言い、そして、
太極拳も、動作の基本となる”虚”と”実、意識と動作・呼吸の一体化、
人間と自然の一体化など太極思想の応用で成り立っている。

太極拳の源流は、中国の古い歴史の中から生まれた武術で、五禽之戯
(猿、熊、虎、鹿、鳥の遊び戯れる動き)から編み出されたもの。
自然を師とした美を生み出し、今では健康法の方が通りがよい。

やわらかく、ゆったりとした”弧”の動作と深い息使いの調和、
身体に無理なく中枢神経を全身に働かせ、この働きにより毛細血管
が広がり、周囲の神経が刺激を受け、全身に暖かい血の流れを感じ
させ”気”を発生する。

精神を和らげると共に、全身の筋肉と関節を強化、血圧を下げる、
内臓の働きを良くするなど新陳代謝を促進し生命力を感じる。

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太極拳の基本姿勢

太極拳には、非常に多くの種類があり、初心者は”入門太極拳”、
”初級太極拳”を経て”簡化24式太極拳”を学ぶ

ここまでが基礎レベルで、これが身につけば、中・上級拳へと進む。
”48式太極拳”、”42式制定拳”等へ進み、更に、中国伝統の古式
武術をベースにした”陳式”、”楊式”、”孫式”太極拳等(他にも色々
あり)や武具を用いた剣(つるぎ)、刀(とう)、杆(ぼう)太極拳等
(他にも色々あり)も学ぶ。

太極拳上達のための”心”と"技”の主なものを示すが、これらは、
一つ一つに気を配りながら、全体の中でバランスしていることが
大事である。
     
  • 気沈丹田=きちんたんでん(気を丹田に沈める)
  • 虚領頂勁=きょれいちょうけい(頭のてっぺんを天から吊り下げている感じ) 
  • 沈肩垂肘=ちんけんすいちゅう(肩を沈めて肘を垂らす。脇の下はこぶしが一つ入るくらい空ける)
  • 合胸抜背=がんきょうばっぱい(胸に含みを持たせ、背中をのびやかに保つ)
  • 屈膝鬆股=くっしっしょうこ(膝の力を抜き軽く曲げる。股関節を緩める)
  • 尾閭正中=びろせいちゅう(尾閭骨を股のまん中に、へっぴり腰にならない)
  • 円當=えんとう(会陰部に円味をもたす) 
  • 立身中正=りっしんちゅうせい(体を垂直に保つ、上下一線)

太極拳の基本姿勢
太極拳の基本姿勢


(引用文献;立風書房 太極拳健康法ー三浦 英夫著)

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