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編集部員のリレー随筆(66)

鎌倉で観た花々


今年は戦後70年の節目の年という事で、メディアではこの70年間の歴史に基づいて内政から外交に亘ってのこれからの問題や課題について連日のように報道されている。

私は70歳を僅かに越した歳なので、まさにこの戦後70年を生きてきた世代である。 おおざっぱに言えば前半の35年は、私たちの親の世代が大変な苦労をしながら私らを育て、一方で敗戦で荒廃した日本の復興に大いに貢献した時代であろう。 後半の35年は、成人した私たちの世代が、親の世代から受け継いだ復興した日本を更に発展させたことに寄与した時代となろう。 そして今や私たちの世代は年金生活に入り、私たちの子供の世代がこれからの日本の安定した時代を維持していくことになる。

この戦後の70年間、私たちは国旗(日の丸)と国歌(君が代)を日本の象徴として心のよりどころにしていたが、この国旗・国歌については、先日のテレビのニュース解説の番組で、国旗・国歌法という法律で「日の丸」を国旗、「君が代」を国歌として初めて正式に制定されたのは、なんとつい先ごろの1999年の事であると聞かされて驚いたものである。 私の子供時代から祝日には家々に日の丸が掲げられ、入学式や卒業式が日の丸掲揚・君が代斉唱の下に行われ、オリンピックでは日の丸での応援やメダリストの日の丸掲揚・君が代吹奏などが行われていたので、当然のごとく法律で国旗・国歌として制定されているものと考えられていたが、そうではなかったようである。 ちなみに遅まきながら法制定されたきっかけは、教職者が、法律で国旗・国歌として制定されてない日の丸を崇め、君が代を斉唱せよとする学習要綱に反発したので、時の政府が法制定したとのことである。

一方で、日本の国の花として代表されるのが桜と菊であるが、桜については毎春に盛大に咲いている桜を見ることは、その美しさと春が来た喜びで心が大いに和まされるものである。 桜は、戦前に日米友好の贈り物としてワシントンDCのポトマック川のほとりに移植され、今ではそこで日本の桜の名所に負けず劣らず盛大に咲き誇っている。 数年前の訪米の際に、これらの満開の桜が地元の人々に感動を与えているのを見て、大変に誇らしく思ったものである。 かっては我が家の庭にも一本の桜が20年間ほどあって、それが大木になり、枝葉も多く、それ故に秋ごろの大量の落ち葉処理などで大変であったが、4月に見事に咲けば手入れの苦労などは忘れてしまうほどである。 残念であるが老木となり10年ほど前に処分したので、今は鎌倉での桜を毎年楽しんでいる。

花は桜に限らず、四季の花は見るのも自分で育てるのも楽しいものである。 自宅では初春の椿、梅に始まり、ユキヤナギ、花ショウブ、スズラン、アジサイ、松葉ボタン、香りの良いクチナシが庭に咲き、鉢には君子蘭が気品のある花をつけている。

幸いにも鎌倉の傍に住んでいるので、鎌倉シチズンネット(KCN)の会員になって2年余りになる。そこではKCNの月刊姉妹誌である「鎌倉シニア通信」の編集員としての活動で、鎌倉を訪れる機会が度々あるので、そのついでに由緒ある寺社やそこにある花々を観賞出来ることは年金生活のなかでの気持ちの和みにもなる。 デジカメを携えて寺社を訪れ、歴史を感ずる寺社の建物やそこの境内や周りに咲き乱れる花々を観賞し、撮影するのも楽しいものである。

今まで撮影した花々の中で、ほんのいくつかをここにご披露するが、ご承知のごとく鎌倉にはあまたの寺社があり、それぞれに四季の花々を咲かせているので、毎年出かけていろいろな寺社で楽しまれることはお勧めである。

 

 大巧寺(だいぎょうじ)の花々
JR鎌倉駅のすぐそばにあり、安産祈願として有名な日蓮宗の寺で、椿や利休梅をはじめとして多くの花がありかつ名札も付けられているので、訪問者は名前をみながら花々を楽しむことが出来る。
ここを訪れて撮影したのは3月末ごろであった。

大巧寺_@ 大巧寺_A
大巧寺_椿 大巧寺__利休梅

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 妙本寺(みょうほんじ)の花々
JR鎌倉駅から徒歩10分ほどの所にある日蓮宗の寺で、広大な境内にはしだれ桜や海棠など多く花の木があり、また境内周辺に椿やサザンカなども多くの花が楽しめる。
ここを訪れて撮影したのも3月末ごろであった。

妙本寺_しだれ桜 妙本寺_海棠
妙本寺_椿 妙本寺__椿

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 鶴岡八幡宮のぼたん
JR鎌倉駅から徒歩10分ほどの所にある全国的に有名な源頼朝ゆかりの神社で、境内にある池のほとりの桜、ボタン園に咲く多くのボタンや、大鳥居から海へ抜ける道沿いの段葛の桜並木は圧巻である。
ここを訪れて撮影したのは4月初めごろであった。

鶴岡八幡宮_牡丹 鶴岡八幡宮_牡丹
鶴岡八幡宮_牡丹 鶴岡八幡宮__牡丹

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 東慶寺(とうけいじ)のアジサイ
JR北鎌倉駅から徒歩5分ほどの所にある臨済宗の寺で、通りから山門まで多数多種のアジサイがあり、境内には桜や花菖蒲などが楽しめる。
ここを訪れて撮影したのは6月末初めごろであった。

東慶寺_七段花 東慶寺_柏葉アジサイ
東慶寺_ウズアジサイ 東慶寺__ガクアジサイ

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撮影・制作:こうなん

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