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浄土宗・西念寺の由来

当山は「岩瀬山正定院西念寺(がんらいざんしょうじょういんさいねんじ)」と申します。開山は慶蓮社運誉上人で 天文三年(1534年)五月十八日寂と記録にありますが、代々住職の言い伝えでは、元亀元年(1570年)に本堂が創建され たとされています。従って開山運誉上人は、裏山の"開山修行窟と呼ばれている横穴に住んで、念仏の布教活動に励まれていた ものと思います。
昔の本堂は、二度火災に遇ったと伝えられていて、記録が残っていません。
平成五年(1993年)に本堂新築の際 の文化財発掘調査では、地中から正確に90センチ間隔に並んだ土台石が出土しましたが、その石の表面は、束柱の部分を残して 火に煽られて風化していましたから、火災に遇った事実が証明されましたし、もっと門寄りに大きな建物があった事も土台石に 残る束柱の跡の太さでわかりました。
今までの本堂は、棟札によれば天保七年」(1836年)に再建されたもので当時は地元の杉材による茅葺の 「本堂庫裡合造」の三十六坪でした。
この本堂と庫裡が一棟になったお寺は現在鎌倉市では唯一軒だけ残っていたものでした。




西念寺の佛像

西念寺に居ます佛像の中で、本尊の阿弥陀如来像は、桃山時代の特徴を良く表している坐像で、これは寺院の艸創期とも良く合っている。
保存状態も良好な浄土宗興隆期の典型的な如来像で、格調高く文化財としても貴重な作品と言える。ただし台座と光背は後補と思われる。
善導・法然の両大師像、江戸初期のもので彫の精緻さに作像の丁寧さが良く表れている僧形像の傑作である。 他に厨子入りの来迎佛と、大旦那木屋夫婦像(澤田常長夫妻)といわれる江戸の町人像が貴重である。
本堂大改築の際、西念寺の全佛像を調査修復したが、関東の中小規模の浄土宗寺院の中では、お祀りしてある佛像の質は極めて高い。

(法雲寺佛教文化財研究所)




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