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圓久寺訪問記

2005年1月12日



「鎌倉のお寺さん」を紹介させていただいて満3年になります。
各寺院とも、ご住職からお話を伺い、説明を受け、仏門には素人の取材子が、それなりに解釈してこの訪問記を書続けています。

今回は、日蓮宗の寺院「常葉山圓久寺」を、寒さが厳しくなってきた平成17年1月12日にお伺いしました。

鎌倉駅西口を出て、鎌倉市役所前のバス停から市役所通りをミニバスに乗って10分位、徒歩で約25分位、「八雲神社」バス停の前にあります。

所在地:鎌倉市常盤621




圓久寺の左の山腹には、このあたりの鎮守様「八雲神社」があり、八雲神社と圓久寺の間に町内会館があります。
このあたりは「北条氏常盤邸跡」として国の史跡に指定されています。

八雲神社 町内会館
八雲神社 町内会館

墓 圓久寺の境内に入ると正面に本堂、その左側と裏側にお墓があります。
また、本堂前左右にサルスベリの木があり時期には見事な紅色の花をつけるとのことです。

大変お忙しいご住職に、10時半から11時30分の一時間お時間を頂きお話を伺いました。

現在、このあたりの地名は常盤ですが昔は常葉と書きました。この地名によって常葉山と山号がつきました。

この寺院の場所は「北条義政・政村」の屋敷跡といわれています。このあたりの谷戸の上の方に平らな場所などがあって、石組みが残っています。 たぶん砦の跡ではないでしょうか?いわば、鎌倉の西の防衛線とでもいえる場所です。
(補足 義政は三代執権北条泰時の弟重時の子、 執権の補佐役連署などを務めた。)

お寺の起源は定かではありませんが、相模風土記などによると、このあたりに多い矢澤家の氏寺 (お堂・持仏堂)に日伊上人(日尹上人とも)がお寺を建立し、日惺上人を招いて開山したということも考えられます。

一滴の記
47代住職の描かれた「一滴之記」

先々代(47代)住職の残した「一滴之記」という銘板が残っています。ここにも、この場所の由来が記されていますが、確証があるわけではありません。 (「一滴之記」は現在ありません)

本山−本寺−末寺の関係を解説しますと、比企ヶ谷の妙本寺が本寺で、圓久寺は末寺になります。
本寺と末寺の関係は妙本寺という本寺には圓久寺以外にもいくつかの末寺があり、 これらが一グループになっています。
これらのグループ全体を束ねるのが本山です。
本山は他に、「霊跡本山」という公認の本山があり、日蓮聖人ゆかりの地に建立されたいくつかの寺院は霊跡本山として認められています。

寺号 圓久寺では、現在檀家信徒の要望もあって「菩提心」というお護符(お守り)を授けています。
これは、お護符と仏具の間のようなもので、お護符の袋に お札と菩提樹の実を入れたものですが、単なるお護符ではなく、『仏様になりたい』という向上心をお持ちの方で希望する方に授けて、その方をお守りする仏具のような役割をするものです。
通常、単なるお護符も本人の信心によって、御利益があるものですが、「菩提心」は更に古式に則った修法で(しゅうほう) によって、御利益が増すように工夫しています。
仏を目指す向上心を持ち、人に対する慈しみの心を持っている人に授ける仏具の一種で、一年の起点になる節分に授けています(有効一年間)。
菩提心の効用は本人の心がけが半分、加持(修法)が半分で、仏と信者をつなぐパイプの役目をしています。
一般のお守りはご本人の安心感による効果だけしか望めないことが多いのですが、「菩提心」は少し違います。
2月11日に圓久寺の「節分追難会」を催しますが、その際ご希望の方にお授けします。

圓久寺では、春のしだれ桜、夏のサルスベリが見事な花を咲かせます。
特にしだれ桜の季節には、檀信徒が集まり境内でお花見のバーべキュー大会を催します。


ご住職から、A4版に27枚の写真を収めた「圓久寺のお花見」と題する台紙をお借りして、一部を転載させていただきました。


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