最新号

廣前心齋 龍隠陶展


志戸呂焼の廣前心齋さんの龍隠陶展が開催された。

(2002年11月16日〜11月24日)

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廣前心齋さん
−ごあいさつ−
若かりし日より周文さんから、多くのご縁や利楽を受けてきた。和尚は数年前より、無檀家無禄の荒寺に住職し復興を悲願に日々、粉骨砕身励んでいる。

その姿に感ずるところあり、今般、拙作がせめて茅廬修復の茅数束に代わればと、龍隠の岩を掻いて焼物にしてみた。茶陶、日常食器百余点を貴庵蔵内に陳ねる。
ご高覧頂ければ幸いに存じます。

廣前 心齋 合掌


龍隠庵は復興計画が進み、茶室「楽々庵」
の屋根の茅の吹き替えが進みつつあるとのこと。

今回の「廣前心齋 龍隠陶展」
この復興計画をサポートするものという。

初日来、多くの参拝客が龍隠庵を訪問し、作陶展も非常に賑わった。

志戸呂焼(1) 志戸呂焼(2)
(志戸呂焼(1)) (志戸呂焼(2))


龍隠庵の脇の崖の石(いわゆる鎌倉石)を釉薬に
使った焼き物は自然な感じがした。

志戸呂焼・龍隠庵の石使用(1) 志戸呂焼・龍隠庵の石使用(2)
(志戸呂焼・龍隠庵の石使用(1)) (志戸呂焼・龍隠庵の石使用(2))

熱心に作陶の模様を聞く人。
展示品を眺める参拝客。

展示品を前に 展示品を見る
(展示品を前に) (展示品を見る)



心齋さんの開催の弁

廣前心齋 (ひろさき しんさい)


畏友周文和尚と初めてお会いしたのは、彼がまだ花園大学の学生で、わたしが志戸呂焼の茶 陶を手がけて間もないころだった。
禅寺で行われている四つ頭茶会に使う天目茶碗を作らせてもらったのがご縁だ。
以来和尚さんとはまるで兄弟のような仲である。
といっても年上の私のほうがかえって和尚さんを頼りにしているのだが。

数年前和尚さんは雨漏りし放題の荒れ寺龍隠庵を引き継いだ。和尚さんの悲願は自ら道 しるべとなって、悩みの絶えない我々をそっくり受け入れてくれる場所、またとない我 々の人生が力強く輝くための場所をつくることにある。

非力ながらわたしも誓願の輪に参じたいと思った。
そこで龍隠庵裏の岩盤、通称鎌倉石を原料とする焼き物を思いたった。
出来上がったものは、砂目土に、鉄銹釉、飴釉などの八種の釉肌をもち、なごやかな 龍隠の自然が髣髴とする。

龍隠庵の石で作陶 龍隠庵は円満で広やかな和尚そのままに、円覚寺の堂塔や山並をみはるかす眺めをいっ そう引き立てている。
そこはまた知る人ぞ知る月の庭でもある。

西田幾多郎、鈴木大拙ゆかりの茶室楽々庵も半世紀の睡りから今まさに覚めようとし ている。

龍隠庵は復興の真っただ中である。





志戸呂焼
廣前心齋(ひろさき しんさい)

志戸呂心齋窯
  • 〒421-1223
    静岡市吉津793

  • 電話:054-278-1737

龍隠庵ギャラリー
  • 〒247-0062
    鎌倉市山ノ内450
    円覚寺塔頭「龍隠庵」内
  • 電話:0467-25-1447
(今後一部が常設ギャラリーとなります)

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