e-Area&Walk
その場で活用するGISの実現を目指して


〜 「鎌倉散策サービス」からの展開 〜
鎌倉「電子国土Web」の構築とモバイル場所サービス
 



鎌倉版電子国土Web試作画面(2003.11.2現在)
 
 

「鎌倉散策サービス」の計画修正および
電子国土Web(国土地理院)採択に伴う鎌倉版GISサービスについて


KCNは、国土地理院の進める「電子国土Web」の参加募集に応募し、2003年9月に正式採択されました。これまで鎌倉散策サービスで行った「実際に歩いて活用する」ミクロ的視点に「地図から地域を見つめる」というマクロ的視点を加え、その相互で地域を知る住民ためのGISサービスの実現を試みます。またこの考えは、KCN設立当初にITサービスイメージとし掲載した「地域活性サイクル(図)」の実際に地域に豊かさとして還元されることで、はじめて情報の価値が出ると考えたコンテンツサービスのモデルを再認識し、システム作りを目指すものです。


NPO設立準備委員会当初のITサービスイメージ(2001.1.27)

 2003年度、eWalkでは「鎌倉散策サービス」さらにコンテンツを充実していく計画を立て準備をすすめておりました。しかし、このサービスを続けるためには、コンテンツの制作と完成したコンテンツ管理、PDA等の機器のメンテナンス、ユーザーサポートなどを継続して行わなくてはなりません。そこで、これら全般運用費用の低コスト化のなどを解決する基盤データベースシステムが不可欠になると判断し、Webを活用した地図情報システム(GIS)の構築に踏み切ることに致しました。
 まだ、GISをNPOとして自立運営した前例は多くなく困難なことではありますが、国土地理院また鎌倉市のご支援のもと、会の皆様と力を合わせて「e-Area&Walk」活動を進めます。

 

電子国土Webの参加背景
 
  1. KCNの保管するコンテンツのより市民に使いやすく管理。
    (散策サービス制作・管理担当からの要望、デジタルアーカイブ)
  2. ミクロ的な視点だけではなく、マクロ的視点で地域を知る重要性。
    (GISカンファレンス2003のパネルディスカッションで得たもの)
  3. つねに新たなチャレンジするNPO活動の実践をとおして魅力的組織を目指す。
    (会員の輪を広げる活動)
鎌倉版電子国土Web構築概要


1、システム開発概要

開発主体組織:KCN
 (PCクライアント開発、KCNオリジコンテンツ管理DB開発、KCNオリジ携帯電話クライアント開発)
  尚、開発工数はKCNが全て担う
開発支援:国土地理院
 (支援内容:GISエンジンの無償提供、構築に関するAPI等の技術支援、25000地図の提供)
地図支援:鎌倉市
 (支援内容:鎌倉市2500DMデータ支援)

2、活動計画

〜2003年12月中旬

第1回β版公開 (国土地理院との覚書)
目標とする実現仕様(閲覧モード、登録モードの一部、コンテンツ250件)

〜2004年3月(予定)

題2回目更新、携帯電話の活用開始

3、全体システムイメージ



4、場所コンテンツの整備ステップ

第1ステップ KCNが管理保管しているコンテンツの整備・登録
第2ステップ 自治体や学校、他の団体の参加協力で追加・登録整備
第3ステップ eざ鎌倉・ITタウンのリンク集掲載の方のご協力で追加・登録整備

主に整備したいコンテンツの種類
文化・歴史情報  生活情報  災害や安全に関する情報

5、実現してみたい楽しい機能・生活支援機能・イベントのご紹介 

現在、H"フォン(他の携帯電話も調査対応予定)からその場所にメモ設ける機能を試作しておりますが、その他に携帯電話やPDAの活用、さらには電子国土Webサイトと連携して実現したいアイデアのリストをご紹介します。(随時更新)

  • 来た人だけが参加できる「電子スタンプラリー」
  • 興味深い情報をどんどん出して、その対象物を探すゲームイベント「それは何所でしょう?」
  • 長い時間同じ位置にいると、さらにどんどん詳しい情報が出てくる「深堀のんびり観察」
  • 散策した場所をWeb上の地図に表示し、その場所の情報を振り返る「散策のMy手帳」
  • 自分の気に入った場所をその場所で投票し公開する「散策者のお気に入り場所投票」
  • 自宅から実際そこのいる人に観察をお願いする「きょうの鎌倉観察助け合いシステム」
  • 散策するたびに音楽や絵がアレンジされる「歩けば作曲」「歩けばアート」
  • 歴史を説明する人形「鎌倉くん」
  • 色つき電子大筆を持って歩いた経路を電子地図上に絵を描くイベント「大地にお絵かき」
  • その景観に合わせたBGMを選曲し音楽を流す「ジューク・エリア」
  • そこの場所の季節風景写真を見ることができる「季節めぐりのココ写真」
  • 観光記念の思い出を場所に封印「思い出場所のタイムカプセル」
  • 歴史や文学の関連ある場所同士を結ぶ「似ているところの掲示板」
  • 実際に散策している人に地図で位置をモニタしながら携帯電話で通話案内する「遠くでガイドさん」
  • 遠くにいる人のために現地のいる人が代わりに観光しながらモニタ映像を送る「代わって観光」
  • 地図を活用した地区別ポータルページと連絡ページの「電子町内掲示板」
  • 危険な道路や交差点、環境改善要望などを書き込める「みんなでこの場所良くしよう」

6、課題について

社会的な課題
 重要と考えられる課題に、場所情報のリテラシーがあります。現実の世界においても公共物に中傷する落書きがあるように(ネット上の掲示板でもありますが)、実際にその情報を活用しようとした際にそこの場所にいる住民や営む事業者への不利益になる情報をどう管理していくかが課題となります。これらの課題は仮想的位置が実際の位置に紐付けされた場合に起こる新たな社会問題と捕らえております。現在でもカーナビにおける地図と電話帳との紐付けが議論されているように、情報の活用局面がより現実のその場所で影響することを意識したいと考えています。
 KCNでは、地域住民主体のシステムという原則に立ち、住民がその掲載情報を選択・削除できる権利(自宅の壁の落書きは当然家主が消せるように)を有するシステムの実現、それに伴う運用ルールをデザインする必要があると認識してます。 (当面は、情報登録者を限定して運営します)

システム維持の課題
 情報の新旧の管理、OSやブラウザーの変更に伴うサポートなどシステムは実際に立ち上げたときよりも実はその後の継続運用のほうが難しいと言われています。そのサポートの労力を基本的にボランティア精神に頼るという考えかたがありますが、より安定した継続を約束するのは難しく、さらに技術が伴うものはリスクがある体制と言えます。
 その解決としては経済価値を見出しシステム運用に必要な労務費にあてる合理的なシステムを構築しなければなりません。経済価値は急に確立するものではないとの認識し、それまではやはり労力を提供する有志によって持続する必要があると思います。NPO法人とボランティアの違いの議論は、このような大きな維持費が発生する事業を手がけたときこそ、より価値が出てくると認識してます。

■これまでの活動

 


開発主体:NPO法人鎌倉市シチズンネット(KCN)
開発支援:国土地理院
地図協力:鎌倉市情報推進課・都市計画課

機器協力:日本無線株式会社、
実験用ビューア協力:富士ゼロックス株式会社研究本部

お問い合わせ 「e-Area&Walk」企画推進担当
KCNコンテンツ制作運用部 服部宏行
kcn_area@yahoo.co.jp


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