最新号

我が「白秋期」に入って

−暑中見舞いに代えて− 亜郁

暑中お見舞い申し上げます。

今年の4月に私は67歳になりました。
15年前の正月、現自分史「塞翁」を創刊するにあたって、最終号を444号と 決めたら、それは88歳の12月に発刊する、となりました。

それまで生きなければならないことになりました(笑)。
幼いころから頑健だったので、生きられると思いました。
当初、月刊だった塞翁もその後日刊となり、6月13日に2,000号となりました。

遊びをせんとや・・・(弐)

遊びをせんとや

20年ほど前、東大の上野千鶴子教授から、人生を四季に見做し、それぞれに 色を付けると、はじめから玄冬、青春、朱夏、白秋ということを知りました。
88歳まで生きるとした私は67歳で収穫の白秋期に入ったことになります。
先日、俳人の黛まどかが、サンチャゴ巡礼をしたという本を読み、それまで、いずれやりたいと思っていた好きな「旅」とを組み合わせて、以下のような計画を立てました。

加齢による体力ダウンよりは、足ならしを考慮し、順に長距離としました。
  • 70歳:甲州街道と日光街道(東海道は踏破済み)
  • 71歳:中山道
  • 72歳:奥の細道
  • 73歳:サンチャゴ巡礼
  • 74歳:四国八十八ヶ所巡礼+高野山
  • 75歳:日本歴史街道(伊勢−飛鳥−奈良−京都−大阪−神戸)
この6年間の一連のグレ−トトラベルを完踏した後は、短い旅を楽しむことにします。
あるいは、好奇心が旺盛な私は、さらに楽しい旅を見つけるかもしれません。
ところで、白秋といえば、北原白秋です。「からたちの花」です。

♪♪ からたちの花が咲いたよ
白い 白い 花だよ
からたちのとげはいたいよ
いい針のとげだよ
 

からたちの木を初めて見たのは、疎開先の群馬県の渋川のお大尽と言われていた 屋敷の生け垣でした。
小学生の夏の日、すぐ下で利根川と合流する吾妻川で 泳いだ帰りのことでした。小学2、3年の頃です。我が玄冬期の一つの思い出です。
(ここは今、シャンソン歌手の芦野宏記念館があるとか)

そして、中学生の教科書で知った「落葉松林」です。

からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き
からまつはさびしかりけり
たびゆくはさびしかりけり
 
長野県の小布施に行った帰り、車窓から見た軽井沢の霧の落葉松林が印象に残っています。

芭蕉は、「月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり」と書いています。
級友とテントを担いで行った「蓼科→浅間温泉郷」、「東北」、そして、一人で行った 「山陰・山陽」2週間一人旅。
そのアルバムはすぐ手にとれる所にあります。
それを見ないでも、あそこでこんなことがあった、ここでも…と楽しく話せます。

私の白秋期も、豊かな「旅」のある人生にして、謳歌したいと思います。


制作:亜郁   協力:ひろさん


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