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鎌倉の散歩道−27

大船近代100年を歩く(3)
鎌倉武道館と山崎水質浄化センター

鎌倉市大船は古都・鎌倉市にあって、若干異質な街です。
今回は鎌倉武道館と鎌倉市山崎水質浄化センターを訪ねます。

(武道館弓道場で・湘弓会の練習)
武道館で・湘弓会の練習


■ 鎌倉武道館

この「鎌倉の散歩道」は、かなりの期間お休みしていました。久しぶりの再開です。

残暑の厳しい8月31日、山崎にある「鎌倉武道館」と「山崎水質浄化センタ−」 を訪ねました。

(武道館全景)
武道館全景 武道館は大船駅から徒歩約15分の場所にあります。

大船駅で東口の階段を下り、駅前の道路を西(藤沢方面)に向かいます。
Y字型の道路の信号も直進し、横須賀線の踏切を渡ると道路が鍵の手状にまがり、手広方面の道をすすみます。(東海道線に沿った感じの道です)。
電気化学工業(デンカ)の工場に沿って、デンカの隣が武道館です。
(場所が分かり難いので文末の地図を参考にしてください)

武道館はグリ−ンの切妻屋根の重厚な建物です。

全景を写すには近くの天神山からでないと入らないほどの大きさで、最長部は150mあります。


見学の前に、市の職員が館の概要を説明してくれました。
1階に下水終末処理施設を併設した武道館は、25億2千万円と3年5カ月を要して、平成5年3月に竣工し、5月から一般開放されました。
平成10年の「かながわゆめ国体」では、なぎなた競技の会場として使われています。


以下、案内してもらいながら各施設の説明を記します。
正面向って右奥には、340畳の広さの柔道場で、常時半分の畳を敷いています。
この日、板の間で年配の方が正装して、鏡に向って居合の練習をしていました。
身が引き締まる思いがしました。

(柔道場の半分は畳敷)
(板の間で居合いの稽古)
柔道場の半分は畳敷
残りは板敷

その隣の多目的室では、十数名が太極拳の練習でした。

(多目的室の太極拳)
(射場で練習する湘弓会のみなさん)
多目的室の太極拳
射場で練習する湘弓会のみなさん

その隣は弓道場です。6人立ちは全国でも屈指の施設とか・・・。

丁度、女性グル-プが作法の練習をやっていました。立ち、座り、歩み、射る。きびきびした動きです。
本座から射位に摺り足で移動していました。
的に当たると音がします。
黒板には参段昇段祝と氏名が書かれていました。

(射場での練習1)
(射場での練習2)
(射場での練習3)
射場での練習1
射場での練習2
射場での練習3

廊下を挟んで巻わら練習室もありました。
射るときの姿勢をチェックする所です。

(巻わら練習室)
(弓道場の的)
巻わら練習室
弓道場の的

左手奥は剣道場です。この日は、若い人たちがスポンジボ−ルを使っての ラケットテニスで汗を流していました。

(剣道場でのラケットテニス)
(武道館模型)
剣道場でのラケットテニス
武道館模型

ウィ−クデ−の午前ですが、意外と利用度は高いなと感じました。


■ 山崎水質浄化センター

山崎跨線橋への道を渡って、山崎水質浄化センタ−に行き、説明を受けました。

(水質浄化センター入口)
(中央操作室)
水質浄化センター入口
中央操作室

施設は跨線橋への道を挟んで7つの棟から成っています。

汚水の流れとしては、最初沈殿池→エアレ−ションタンク→最終沈殿池→塩素滅菌棟 を経て山崎川雨水幹線へ放流されます。
各施設を案内してもらいました。

中央操作室はセンターの建物の2階部分にありました。
期待したフロー図などは無く、パソコン?の画面に向かって職員が一人で操作していました。

鎌倉各地から集まった配管は、到着地点で地下12メートルだそうです。 地下12メートルから汚水ポンプで最初沈殿地にくみ上げられます。

最初沈殿池がある建物に入ると、少しムッとする気温、湿度でした。

(受け入れ配管の上のマンホール)
(最初沈殿池)
受け入れ配管のある場所
最初沈殿地

エアレーションタンクでは、活性汚泥(好気性微生物)を入れ、空気の気泡で汚水と好気性微生物を約10時間空気攪拌します。
微生物は空気中の酸素と汚水中の汚れを栄養として繁殖し、沈みやすい固まりになります。

この際に出る空気はブロワーで強制排出しますが、臭気はフィルターなどで除去しているそうです。

(エアレーションタンク)
(ブロワー)
エアレーションタンク
ブロワー

最終沈殿池では 緩い流れにして汚泥を固まり易くしています。
高分子凝集剤を入れ、連続脱水して固形分25%まで水分を絞っています。
最終沈殿池の上には小さな水槽が置かれ、グッピ−が元気に泳いでいました。 小学4年生の見学で、水質の良さをアッピ−ルするためとか。

汚泥を除去した水は殺菌され山崎川雨水幹線へ放流されます。

(最終沈殿池を覗く)
(グッピー)
最終沈殿池
グッピー

最終沈殿池のある建物から外に出たら涼しく感じられました。

浄化の過程で発生する汚泥は、他の水質浄化センタ−から集めたものと一緒に 流動床の焼却炉で燃やしています。
東海道線の車窓から、静の舞と流鏑馬の武将が見えるのは、この焼却棟でした。

(他のセンターの汚泥)
(焼却炉と電気集塵機)
(焼却棟と静の舞)
他のセンターの汚泥
焼却炉と電気集塵機
焼却棟と静の舞

この壁画には、市の浄化センタ−で発生した汚泥灰も一部使われた有田焼とのこと。
現在、焼却で発生した汚泥灰は有償でセメント工場へ送られているとも。
煙突は言われてみないと気がつきませんでした。

(焼却棟のタイル壁画と排気煙突) 焼却棟と排気煙突

鎌倉市の中で、近代100年都市を目指して建設されてきた大船地区の下水道の普及率は、この山崎水質浄化センターの完成と共に大幅にアップし、旧鎌倉の下水道普及率と肩を並べるまでに至りました。

鎌倉武道館 電話:0467-46-8010
鎌倉市山崎水質浄化センター 電話:0467-46-8001(代)


以上、鎌倉市の施設2つを見学させてもらった散歩道でした。

散歩の帰りは、来た道を戻るか、山崎跨線橋を渡って
大船近代100年を歩く(2)で紹介した「フラワーセンター」
へ足を延ばすことも考えられます。



武道館の周辺地図


制作:亜郁/ひろさん

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