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鎌倉の散歩道−19

広町緑地を歩く



縁あって、「鎌倉の自然を守る連合会」の『自然観察委員会』のTさんに、広町緑地を案内してもらい、歩くことになった。晩秋の谷戸の散歩道。
広町の森を歩くのに地図は不要だが、自分の居場所を確かめ、貴重な植物の場所を知るには地図が欠かせない。
当日配布の自然観察委員会で使っている地図は国土地理院のものでネットで公開できない。
ここでは、お願いして、 「鎌倉の自然を守る連合会ホームページ」掲載の地図を使わせてもらった。



(広町緑地の地図・「鎌倉の自然を守る連合会ホームページ」の地図を引用)


集合は「ガスト」前。モノレールからの人と、江ノ電からの人がいて、ここがどちらから来る人にも不公平の無い場所?。
鎌倉シニア通信編集部から6人、市民協議会から3人が参加。
鎌倉市民でも意外に初めてという人が多い。

(ガスト前集合)
(住宅を歩く)
(コースの説明)
ガスト前集合
住宅地を歩く
コースの説明

閑静な住宅地をたどって10分足らずで入り口に着く。(地図上左上の印のところ)

今回は、ここから、湿地帯を(2)まですすみ、尾根に出て「山桜」(3)の大樹を見、尾根づたいに南側外縁を歩き、「桐」(4)の大木を見た後、北に折れて入口に戻るという、広町緑地の外周をたどるというコース。

入口には先客が居て、注意事項を先生から聞かされていた。
(藤沢のどんぐり園の園児およそ40人)

(藤沢・どんぐり園の園児)
(注意事項の看板)
どんぐり園の園児
注意事項の看板

はじめにたどった道は小川沿いで、オギの穂が白く、向こうの山はやや紅葉が始まっていた。
Tさんは広町の植生に詳しく、いろいろと教えて頂いたが、メモしていないと次を聞いたときに前の知識が押し出されて何も覚えていない。
鎌倉市は藤沢の慶応大、藤沢校に植物調査を依頼した。
報告書によれば、この地区で404種の植物が観察され、Tさんたち植物 観察グループはそのうち、樹木で90種、草花で200種以上を確認したという。
シダ類はTさんの対象外だから、かなりの比率といえる。

(小川沿いを歩く)
(説明するTさん)
(メタセコイアの大木)
小川沿いを歩く
説明するTさん
メタセコイアの大木

やや進んだ所に、「ハンゲショウの谷」という場所があり、初夏にハンゲショウが群生するという。
この場所は、ちょうど鎌倉山の「らい亭」の下あたり。
大きな銀杏の木が色づいていた。

エノキの大木 近くに、エノキの大木があった。
「(ニレ科)ケヤキ、ムクノキと同じ仲間・・・」と木札が付けられ、学習に役立つ。

この木札は先の方でもいくつか散見したが、これもTさんとその仲間の作業。


カンアオイがあるというので急坂をよじ上る。
徳川家のご紋のデザインはこの葉ではなかろうか?とのこと。
花は半ば埋もれて咲いていた。

(カンアオイ)
(カンアオイの花)
カンアオイ カンアオイの花


エノキの大木 前夜来の雨で滑るので、尾根に出る道は比較的安全な道を選んでもらった。

広町緑地のシンボルの一つの「山桜」は、枝が少々痛んでいた。
今後、ハイキングの人が増えることを想定し、根の周りの柵などを検討したいとTさんは話していた。

広町緑地南側の尾根は七里ガ浜住宅地に接している。
北側の湿地帯に匹敵するようなハイキングキングコースで、道もよく、快適だった。
Tさんから名前を聞き漏らした大木も多く、別の季節にまたハイキングしたくなった。

(案内板の前で)
(名も知れぬ巨木)
(エゴノキ)
案内板の前で
名も知れぬ巨木
エゴノキ

広町緑地にはいくつかのシンボルツリーがある。
その内の一つが「桐の巨木」で、この季節では印象的だった。

(桐の巨木)
桐の巨木

尾根から緩やかに下って湿地帯に出ると、
1時間半ほど前に出発した入口に戻った。


制作:ひろさん

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