鎌倉の散歩道
(編集スタッフ : ドバ 記)


“鎌倉紫陽花散歩と写真集”
2002年5月06日取材

今回の散歩道は極楽寺→成就院→長谷寺→光則寺→(甘縄
神明社)→(鎌倉文学館)→JR鎌倉駅のコースを紹介します。

六月は紫陽花の季節なので、是非鎌倉の紫陽花を散策して下さい。



極楽寺(ごくらくじ)

(江ノ電極楽寺駅)
(極楽寺の山門)
江ノ電極楽寺駅 極楽寺の山門

極楽寺駅は数多い江ノ電の駅の中でも、最も緑濃い環境にあります。

朝夕の通勤通学に利用する住民から、休日の観光客まで、多くの人々に親しまれる駅です。
テレビドラマや映画に度々登場しています。

改札口を出て左方面へ歩くと、江ノ電の走る上に赤い橋(桜橋)があり、渡ると左側に風格ある茅葺きの極楽寺の山門が見えます。
約七百年前、恵まれない人々を救い続けた僧、忍性が開いた寺。

極楽寺の山門を入って参道を進むと本堂の手前の右手に、忍性が使用した薬鉢と茶臼とがおかれています。
静かで厳かな雰囲気の境内では、写真撮影は禁止。
毎年4月8日お釈迦様の日のみ、忍性菩薩の墓を見ることが出来ます。

(極楽寺切通し)
極楽寺切通し 桜橋に戻り、坂ノ下に向かう通りは忍性菩薩が切り開いた極楽寺切通しで、鎌倉七切通しのひとつです。

往時は、切通しの高さは南側山上にある成就院の門の位置まで有ったといわれています。
交通の便を容易にすべく、次第に切り下げられ現在に至ったと考えられます。

少し行って、右側の階段を上ると、不動明王を祀る真言宗の古い寺の成就院の山門が見えます。


成就院(じょうじゅいん)

(成就院の山門)
(成就院の参道1)
成就院の山門 成就院の参道1
極楽寺坂から長い石段を上がったところにある成就院。弘法大師が護摩をたいたところに承久元年(1219)に北条泰時が創建したもの。

本尊の不動明王像や弘法大師像、文覚上人荒行像などが安置されています。

(成就院の参道2)
(成就院の参道3)
成就院の参道3 成就院の参道4

鎌倉では明月院と並ぶ紫陽花の名所で、108段の参道の両脇には見事な紫陽花が植えられています。
6月中旬には由比ヶ浜の海をバックに咲く紫陽花の花はこのうえなく美しい。

成就院内苑に咲く花

参道を坂ノ下側に下ると“星月夜ノ井”とその上に“虚空蔵菩薩”があり、その先の“力餅屋”の脇を曲がり、江ノ電の踏切を渡り“御霊神社”に参拝し、左側の出口から出て、少し歩くと“長谷寺”駐車場脇にでます。

長谷寺(はせてら)

(長谷寺紫陽花散策路1)
紫陽花散策路1 天平八年(736)徳道上人の創建と伝えられ、坂東三十三観音の第四番として古くからたくさんの参詣人が訪れます。

総門を入ると右手に放生池、左手に大黒堂があります。
石段を上がり広い境内に出ると宝物館・・観音堂・阿弥陀堂・経蔵などが有り、さらに観音山中腹にある見晴台からは由比ヶ浜・材木座海岸、さらに三浦半島の丘陵が長く続いて海に突出しているのが見えます。
数年前から潮音亭と経蔵との先に紫陽花散策路が整備されました。

(長谷寺紫陽花散策路2)
(長谷寺紫陽花散策路3)
紫陽花散策路3 紫陽花散策路3

光則寺(こうそくじ)

日蓮上人の弟子の日朗上人が開いた日蓮宗の寺です。

(光則寺の本堂)
(光則寺の紫陽花)
光則寺の本堂 光則寺の紫陽花
ここはもと北条時頼の家臣・宿谷光則の屋敷でした。
この境内には樹齢百五十年といわれる天然記念物の海棠があり、四月上旬頃見事な花をつけるので知られています。

光則寺では、稲村ヶ崎の篤志家Mさんが育てている
「ヤマアジサイ」の鉢植えの展示をはじめました。
Mさんの自宅では約200種、1,000株のヤマアジサイ
があり開花シーズンには自宅で公開していたのですが、
住宅地で近所に迷惑がかかるからと、2001年から
光則寺で鉢植えで公開しはじめたもの。
(6月の半ば頃までが見頃だそうです)

鉢植えのヤマアジサイ

鎌倉駅へ

長谷観音前より甘縄神明社・鎌倉文学館に寄りJR鎌倉駅へ向かう。

(鎌倉文学館入り口)
(鎌倉文学館)
鎌倉文学館入り口 鎌倉文学館

鎌倉文学館は、明治23年(1890)に加賀百万石の藩主で知られた、旧前田侯爵家の別邸『長楽山荘井』として建てられました。
昭和60年に改築後、鎌倉市の文学館として公開されています。
常設展示では鎌倉文士や、明治、昭和期の文学と鎌倉などをテーマに、直筆原稿や資料、遺品などを公開しています。
特別展や講演、文学講座なども頻繁に行われています。

閑静な住宅地を抜け、鎌倉駅に出ます。



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