最新号

鎌倉シニア通信特集・・・鎌倉の仲間達 No.49

男性ボラ・ヤローズ


2007年1月18日,19日、20日、21日、26日取材

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(月例会で勢揃・鎌倉市社会福祉協議会で)
月例会で勢揃い・鎌倉市社会福祉協議会で

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男性ボラ・ヤローズは平成12年2月に設立されました。
設立の目的は、

鎌倉の町をさらに住み良いものにするために
  • 身体的・経済的に不自由な方々に、男手を提供する
  • 女性には出来そうもない仕事分野を組織で取り組む
などを行うためです。

具体的な活動は
  1. 住宅関連 住宅の修繕や改善、障子や襖の張替え、草刈や庭木の手入れ等
  2. 介助関連 移動介助、車椅子介助、福祉施設などへの手助け、通院介助等
  3. パソコン ホームページ閲覧、Eメールなどの指導等
などです。

ヤローズのホームページ




■ ヤローズの主な活動 (1)住宅関連

住宅関連では、次のような案件が多いそうです。
  • 庭の手入れ
  • 庭木の伐採・草取り
  • 家の補修
  • 家のバリアフリー化
  • 家具の移動
  • 障子張替え、ふすま張替え、網戸張替え

2007年1月18日と19日、ヤローズが鎌倉市の「名越やすらぎセンター」から依頼を受けた藤棚つりと四目垣工事の現場を取材しました。
真竹は昨年の12月7日に、鎌倉市内の市有地・野村総研跡地に切り出しに行って準備しました。

(藤棚つり1)
(藤棚つり2・向こうでは四目垣製作中)
藤棚つり1  藤棚つり2

(藤棚つり3)
(藤棚つり4)
(藤棚完成)
藤棚つり3
 
藤棚つり4
 
藤棚完成

四目垣工事も藤棚つりと平行で作業が行われました。
支柱と竹を切りそろえ、支柱を打った後竹を仮止めします。

さらに、四目垣はシュロ縄の男結びで竹を結んで完成しますが、技能を上級者から受け継いでもなかなかうまく結べず、四苦八苦している人もいました。

(四目垣の支柱を打つ)
(四目垣工事)
四目垣の支柱を打つ  四目垣工事


(四目垣工事と藤棚つり)
四目垣工事と藤棚つり


(シュロ縄を結ぶ1)
(シュロ縄を結ぶ2)
(シュロ縄を結ぶ3)
(シュロ縄を結ぶ4)
シュロ縄を結ぶ1
 
シュロ縄を結ぶ2
 
シュロ縄を結ぶ3
 
シュロ縄を結ぶ4


ヤローズは、毎年開かれる鎌倉市社会福祉協議会主催の男性のためのボランティア講座で、庭木の剪定や障子張りの体験講座の実習を引き受けています。
写真はその際の障子の張替え実習の様子だそうです。

(鎌倉市社会福祉協議会主催
男性ボランティア講座の実習1)
(鎌倉市社会福祉協議会主催
男性ボランティア講座の実習2)
障子張り実習1  障子張り実習2


■ ヤローズの主な活動 (2)介助関連

ヤローズのホームページを拝見すると、介助関連では下記のような活動が毎週行われています。
  • 車いすの介助(外出の手助け)
  • 障害者歩行訓練介助
  • 障害児の放課後支援
  • 障害児水泳訓練補助
  • 障害児学級校外授業支援
このうち、障害児水泳訓練補助の姿を取材しました。

依頼者は「キララスイミングクラブ」、場所は藤沢市の「アクラブ藤沢」です。
キララスイミングクラブは障害児を持つ母親たちが平成5年に立ち上げた会です。
当時、池田君子氏の著書「スキンシップ水泳療法」を読み、その中にある『障害を持つ子を水に触れさせ泳ぐ事が喜びとなれるように・・・』という内容に感銘を受けて池田氏と連絡をとり3名の門下生であるコーチの紹介を受けスタートしたとのことです。

この会は月に2回ほど水泳訓練を行いヤローズから2名が補助員が出向き、障害児の着替の手伝い、水泳訓練中の見守り、プールの中での手助けなどを行っています。

全体の水泳訓練はキララスイミングクラブのコーチが指揮します。
準備運動や水に入る段取りなど手慣れたような印象を受けました。

(まず準備体操)
(そろそろ水に入り・・・)
(全身水に浸かる)
まず準備体操
 
そろそろ水に入り・・・
 
全身水に浸かる

全員が水に浸かると、コーチがいくつかのメニューを提示し、子供たちはそのメニューに従ってプールを往復します。
ヤローズの会員は子供の手や足を支えながら何度も何度もプールを往復したり、同じ場所で通り過ぎる子供たちの手助けをしたりして、子供たちの水泳訓練をサポートしていました。

(手を持って何度も往復)
(足を支え何度も往復)
手を持って何度も往復  足を支え何度も往復


別の日、リハビリ中の歩行訓練介助の実際を取材させていただきました。

依頼者のMさんは3年前に病気で右半身が不自由になり、現在病後のリハビリテーション中です。
ヤローズのメンバーは、ご自宅から車いすでMさんを近くの光明寺に連れ出し、境内で歩行訓練の手助けをし、さらに車いすで材木座海岸に出てもう一度歩く手助けをし、車いすで自宅に戻るというおよそ1時間のメニューです。

(車いすで光明寺に向かう)
(境内で歩行の手助け)
車いすで光明寺に向かう  境内で歩行の手助け

(靴の紐を直す)
(材木座海岸で談笑)
靴の紐を直す  材木座海岸で談笑


■ 会の運営の工夫

ヤローズでは、会を運営する上でいろいろの苦心があり、試行錯誤があったそうです。
  • 案件の適格性
    ヤローズの取り扱う案件は交通費、材料費などは対象者から頂くそうですがそのほかは原則無料なので、対象者がどの程度困っているかを見抜くため、着手前に責任者が面談するのだそうですが、取り扱った後で不愉快な思いをした例がいくつかあり、大工さんや庭師に頼むべき案件を取り扱ってしまったこともあったそうです。
    現在は鎌倉市社会福祉協議会からの案件を多く取り扱っているそうです。

  • 連絡網
    一時期、連絡網を電話中心に構築したそうですが、現在はメール中心になったそうです。
    メールをしない人は案件が回ってこないので、仲間からメールのやり方を習うのだそうです。

  • 現役世代を大切に!
    現役の人も参加できるように、土日に回せる案件は土日に行うように心がけているそうです。

  • プロジェクト・リーダー
    作業内容の把握、依頼人との折衝、作業人員の見積もり、資材や材料の手配、事故を起こさない配慮、作業の品質の管理など、依頼された事項を責任を持って遂行するため、案件ごとにプロジェクト・リーダーを選任して作業を行うようにしているそうです。

    男性ボラ・ヤローズの沿革
    設立は2000年2月(平成12年2月)。
    1999年2月に鎌倉市社会福祉協議会が開催した第1回男性のためのボランティア講座の受講生が中心になって設立。
    会則はないが、基本理念のすりあわせにかなり時間を割いたとのこと。
    たとえば、困窮者への手助けという精神が基本なので、交通費、資材代、車両費などはいただくが報酬はゼロ。(個人的報酬は無い)
    ただし、会に対する寄付金は受益者の感謝の気持ちとして拒まない、など。

    ヤローズのホームページ



    ■ 楽しいオフ会

    年末の忘年会と盛夏の暑気払いはヤローズの年中行事だそうです。

    特に盛夏の暑気払いは、2時間ほど草取りと植木の手入れをしたあと、バーベキューで締めくくるのが恒例になっているそうです。
    お隣の逗子市の男性ボランティア「逗子共生」という団体と共同開催し交流するのもこの行事の特徴だそうです。
    場所は鎌倉の民家ですが、障害がある家族で庭の手入れが不自由なため、ヤローズが草刈りや庭木の手入れを引き受ける代わりにバーベキューをさせていただくのだそうです。
    ほぼ全員が集まるため、初心者には草刈機の手入れや操作方法の講習の場にもなるそうです。

    (草取り・器具の扱い方の講習)
    (植木の手入れ)
    草取り・器具の扱い方の講習  植木の手入れ

    バーベキューはヤローズ発足以来の行事で、すでに6回を数えているそうです。
    食材の手配やビールの手配は前日から分担通り行われ、火のおこし方はもちろん、火の始末も慣れたもののようです。

    (バーベキュー1)
    (バーベキュー2)
    (デザートはスイカ)
    バーベキュー役割分担1
     
    バーベキュー役割分担2
     
    デザートはスイカ

    (2006年の暑気払いの後/扇ガ谷の民家で・「逗子共生」の皆さんと)
    2006年の暑気払い・扇ガ谷の民家で


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    男性ボラ・ヤローズ
    • 代表代行:永井壌太郎
    • 連絡先:0467-31-3743
    • 年会費:1、000円
    • 会員数:25名

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    制作:ひろさん

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