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編集部員のリレー随筆(65)

わが家の庭の珍風景 あるいは植物のたくましさ

作者:亜 郁


 わが家の庭には、草木のたくましさが感じられる場所が3か所あり、凄いもんだなと感心しながら、毎日見ています。

  1.  柿の木がコンクリートブロックを倒した!

     家を建ててすぐ、東南西側の道路(私道→市道)に土留めのブロックを1段据え、モルタルでつなぎました。道路から庭に入る所の端のブロックが数年前、2つに割れて落ちているのを見つけ驚きました。そして、その隣のブロックも一部、2センチほど道路側にはみ出していたのです。これらのブロックの傍には、長男が小学校に入学した記念の柿の木が植わっています。この木の根が30年近くを経て、コンクリートブロックを倒したのだ!と思いました。このブロック列の他端のブロックは何ともな いです。同じ太さのピラカンサがそばにありますが、ブロックからの距離は倍近かったです。
     最近、テレビで「ど根性竹の子」といって、アスファルトから生えているのを報じていましたが、以前にも、銀座で道路から草が生えているのを見ています。


  2.  コンクリート上の1センチほどの厚さの土にいろんな草木が生えている!

     隣家との境のブロックの手前の、道路に接近した7、80センチ四方の所に高さ45センチ、枝幅が50センチほどの山椒が生え、菊が7、8株、アヤメが10数本、青紫の花をつけているのです。さらに、最近、白い花を見つけ、どうやらソバの花だと分かり ました。少し離れたところにももう1本、生えているのです。少しの土があった所へ、庭にある草木の種が飛んできて根付いたものと思われます。ただ、ソバはありません。最近、中央公園にソバが生えているのを見つけましたが、そこからはかなり離れています。
     この一角は、少し傾斜がついているので、家内が土留のレンガなどを置いてあります。その時には、多分、山椒の木などが生えていたのでしょう。最近、これは面白い光景だと思い、さらに土をまいて領域を広げ、新たなる草木の出現を期待している ところです。庭は、二人の息子の駐車場として、コンクリートを流してあり、それを取り除くのは非常に厄介なので、この上にプランターや発泡スチロールの畑などを30枚ほど置いて、菜園生活を楽しんでもいます。


  3. 側溝と庭の土留のブロックの間の僅かなすき間からもいろんな草木が生えている!

     先ず、数年以上前から、春〜秋にかけての長期間、黄色い花が咲く木があります。高さは数十センチですが、枝は1m以上に広がっています。幹の根元は10センチ近くもあります。よくぞ、ほんの僅かなすき間に根付いて成長したものだと感じています。
    赤や黄色の花が咲いてるクローバー、今年の花は期待できそうにないアヤメもあります。今年の圧巻は、アオイです、去年、側溝の曲がり目にある枡から生えていたのですが、今年はここからは出ていません。その代わりに、ヤマノイモが2本出てきて いたので、ツルを這わせるひもを付けました。そのアオイは、密着して3本、高さは1m近くもあり、蕾も4か所ついていて、下旬になれば開花すると思われるほどの大きさになっています。アオイも、どこからかタネが飛んできたのでしょう。月見草も 1本、黄色い花が咲きました。ブロックの内側に何本も咲いています。
    土のない所にも土を置き、何でもいいから生えてきて、とせっせと水やりなどしています。ほんとうに、植物もたくましいものだと、感嘆ひとしきりの昨今です。




作者:亜郁  制作協力:ひろさん

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