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編集部員のリレー随筆(45)

堆肥作りから土作り、野菜づくりへ

作者:亜郁

 未だこの作業は緒についたばかりですが、これからの私の大きな楽しみとなりそうですので、それを確実にするためにも記して、自らを励ましたいと思います。



 今の鎌倉市長は、生ごみ減量に意欲を持っているようです。ゴミ焼却場の能力が不足する見通しに加え、現施設の老朽化も抱えているとかで、市民の協力も訴えているようです*1。
それに応えてやろうという意味合いもあって、生ゴミの堆肥化に乗り出しました。
出来た堆肥を有効利用するには家庭菜園が良い、と私の新しい楽しみ、活動がスタートしたのです。

  1. 各種ゴミ処理機の見学

    家から自転車で10分もかからない笛田には、市のリサイクルセンターがあります。
    笛田リサイクルセンター

    ここでのワークショップにいくつか参加していましたが、ここに各種のゴミ処理機があり、説明も受けられると知り、7月下旬、行きました。
    幾つかの電動型と非電動型の処理機が置いてありました。ゴミ処理に電気を使うというのは、どこかおかしいと思っていましたので、非電動型です。古くからあるコンポストはサイズも2、3あるようですが、わが家の庭は手狭です。場所をあちこち移動させることは出来ません。もう、10年ぐらい経つでしょうか、EMぼかしを使った処理機を買ったことがありますが、じきに飽きて、ほったらかしにしていました。
    そのときの容器は、既にありませんが、金額、サイズ、外観などから結局、これにしました。係の人の話では、どれも一長一短だと。

  2. EMぼかし*2と容器を購入

    これを売っている店が、大船駅前通りにあるのは覚えていたので、買いに行きました。市役所で聞いて、上のタイプだと2セット買っても9割の助成金がある、というのを確認して買いました。2セットあれば、1つが満杯近くになって、熟成に入っても、もう1つの容器でゴミ処理が出来るので、途切れることなく生ゴミが処理できます。これを考慮に入れて2セットとしたのでしょう。助成額も多くはないです。
    8月1日、「鎌倉市生ゴミ処理機購入費助成申請書」を提出しました。負担は650円で済みます。9月末に振り込まれます。

  3. EMぼかしでの堆肥・液肥利用の達人の話を聴きに

    この店に、「環境保全につながるごみ対策、生ごみの減量化、リサイクルを目的と した活動」をしていて、横浜市の活動賞やら「全国花の町づくりコンクール」で大 賞などを受賞している山本さんという方のお話があるというので申し込みました。

    すでに何回か催しているらしく、出席者の質問に答えるという形で進行していまし た。この時点では、私はまだ始めたばかりで質問がありませんでした。新たに分かったことは、EMは、嫌気性菌だということで、ボカシを入れた後は、プラフィルムな どで押し付け、内部の空気を出すこと、プランターや発泡スチロールを利用しての 土の作り方でした。容器の下から採れる液肥については、利用法が書いてあります が、現在、我が家には過剰で、持て余しています。

  4. 段ボールでの堆肥化の話を聴きに

    実は、上の人の話を聴く前に、タダで入手できる段ボールの中で堆肥化するという 方の話を聴いていました。8月5日、リサイクルセンターでです。この方は、コンポ ストに入れてぼかしを使っていましたが、臭いが気になる、処理が大変だったり難 点も多かったとか。そんな時、テレビで紹介された「段ボールの中で堆肥化」する 処理方法で、これなら上記の問題点も解消できるのではないかと、実行に移し、あ れこれ工夫も重ねたとか。

    こちらは、EMぼかしではなく、ピートモスとくん炭を堆肥化剤として使います。こ れらは園芸店やホームセンターで買えるとか。
    持参した処理中のものは、臭いもなく、シジミの殻が指でつぶせるほどに柔らかく なっていました。もっと早くにこの話を聴きたかったと思いました。

  5. EMぼかし堆肥化、1バッチを終え

    9月8日、生ゴミが容器のほば9割近くになったので、投入を止め、1週間の熟成に入 りました。この問題点は臭気と手間です。スイカやブドウの種、とうもろこし・玉 ねぎの皮、枝豆のさやなどは入れてはいけないというので、台所から出る生ゴミ用 容器が2つ要ります。臭気については、家内の文句にも耐えないといけません。1Lぐ らいの円筒状タッパーウェアに堆肥に供する生ゴミを入れ、それにぼかしを2、3回 に分けて入れて回転させると、少量のぼかしでよく絡ませることが出来たと思って ます。液肥を抜いた後、出口を良く拭かないと、ここから臭いが出ることも分かり ました。

  6. 段ボール堆肥化をスタート

    上記の堆肥化剤は農協でも扱っているというので、注文しました。PMが20L、くん炭 は12Lで共に504円でした。EMぼかしとコスト的にはどうでしょうか。フタも立てる と約40Lになる段ボールに新聞紙を入れ、およそ12Lずつの堆肥化剤を入れ、混ぜ合 わせました。それに生ゴミを投入しよく混ぜます。こちらは好気性菌なのでかき混 ぜは大事です。確かに臭いません。これは、一つには、大量の堆肥化剤に少量の生 ゴミを入れるから、堆肥化剤の臭いにマスキングされるからかなと思いました。そ の内に、フタを立てて、カバーをして9割ぐらいになるまで投入します。

  7. 今後の取り組み
    • 熟成後に土を入れての土作り
    • 畑地つくり
      ・発泡スチロールを畑にすれば、大きく深い箱を数個以上、置ける場所はあります。
      ・カイヅカイブキやら、草花、ヤマトイモなどが生えている所を畑にしたらどう かと家内が言います。大した面積ではありませんが、直接地べたに植える畑も欲 しいので、そのうちに整地します。
    • 作りたい野菜選定
      玉ねぎは好きなので、これはぜひ、植えたいと思います。苗から?種から?
      バスツアーで行った埼玉で買ったオクラの苗はすごく、今のところ3株で30個も採 れています。来年、こういう苗10本以上を買って、育てたいとも思ってます。
    • 参考図書
      ・『野菜づくりの楽しみ』小川・間宮著、主婦と生活社(S50年8月。第15版)
      ・『お野菜さん ありがとう』吉田著、大地といのちの会、11年5月
      ・『EMで野菜づくり』EM研究所、06年5月
      ・『今日から育てるキッチン菜園読本』ベターホーム協会、09年6月
    • 来年は中央公園で活動を!
      「コケ玉づくり」の講習会に行って、園内でやる長期の会があることを知り、来 春には申し込むことにします。

*1 広報かまくら 9月25日号によれば、市のごみ焼却量約4万トンのうち、約65%が家庭から出る燃やすごみで、その約4割が「生ごみ」です。つまり、焼却するごみの 4分の1=1万トンが「生ごみ」です。市では、生ゴミ処理機の世帯普及率を平成27 年度までに現在の約17%から約30%とすることに取り組んでいます。

*2 EMとは、Effective Microorganismsの略で、「有用微生物群」と訳されています。



作者:亜郁  制作協力:ひろさん


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