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「赤毛のアン」の島へ行きたい

少女時代に夢中になって読みふけった小説「赤毛のアン」
まだ外国の生活が、夢のように遠いものに感じられた時代に
このルーシー・モード・モンゴメリの代表的小説は、違和感なく身にしみこんだ。

少年少女世界文学全集から大人の本へ移行するころ、
「風と共に去りぬ」に心ときめかせ、「女の一生」に暗い不安を覚えたりと、
まだ知らぬ大人の世界に、おののきながら、読書に没頭していた。

そのころに、読んだ「赤毛のアン」の主人公アンは、
等身大の、ちょっと不幸な境遇で、どじで、おてんばで、感情の起伏の大きい少女。
アンにめぐりあったとたんに好きになり、一緒に小説の中で一喜一憂。
ただただ、アンとアンを取り巻く村の人々との素朴な生活に共感しながら読んだ。

今から思うと、あの本を読んだことにより、
アンと共に、感動や不安、自然と人々の善意に包まれる悦びに共感し、
人生の不条理や、誤解、自分の思い通りにならない世界を
アンと共に少しずつ乗り越えることを教えられたような気がする。

実生活と小説の世界との両方で、多感な少女時代を生きたようなものだ。

普段の生活では取り立てて言うことはあまりないけれど、
赤毛のアンのファンは、意外に多いのにびっくりする。
そしてみんな、いつかは小説の舞台、プリンスエドワード島に行ってみたいと思っているのだ。

わたしもその一人、わたしの友人も同じく大のアン・ファンだった。

「行って見たい」が、「絶対行こう」になり、「いつ行く?」になり、そしてついに今年実現した。
まさしく、「赤毛のアン 夢の旅」である。



シャーロットタウンのホテル
シャーロットタウンのホテル
The Great George
州議事堂
プロヴィンスハウス(州議事堂)
カナダの建国会議が開かれた部屋

バシリカ教会
St.Dunstan’s Cathedral Basilica
バシリカ教会
赤毛のアンちゃん
ファウンダーズ・ホールにて
赤毛のアンちゃん
シャーロットタウンの街並み
シャーロットタウンの街並み
歩道が広くて緑が多い


「赤毛のアン 夢の旅」コース作り

さて、「赤毛のアン」の舞台になったのは、プリンスエドワード島
この島は、カナダの中で一番小さな州でもある。
四国ぐらいの面積に、13万人ぐらいの人口の緑いっぱいの島。

島の名前は知っていたけれど、さてどうやっていくのやら・・・
あまりメジャーな観光ポイントではないので、ツアーも少ない。
やっと見つけても、他の名所とあわせてあり、滞在時間が少ないのだ。

「赤毛のアン」の世界にどっぷり浸って、自由に歩き回ってみたい。
ぞろぞろ行列を組んで歩くような旅はしたくない。

ここでインターネットを利用して、情報を集める。
「赤毛のアン」「ツアー」をキーワードにして検索するといろいろヒットする。

その中からわたしたちが選んだのは、カナダ旅行を得意とする旅行社。
ここで、セットされているコースではなくて、希望通りのコースを作ってもらった。

大きな旅行社でも最近は「赤毛のアン」ツアーをいろいろと取り揃えるようになっている。
ただ、滞在時間が少なかったり、希望の街に泊まれなかったりする。
また、添乗員が観光に連れて行ってくれるのはいいが時間の制約が多いのが欠点である。

その点、今回は現地ツアーは最低限にして、フリータイムをできるだけ多く取った。
目的は、プリンスエドワード島だけだったので、ほかには行かないつもりだったが
せっかくそこまで行くなら、と、旅行社の勧めでナイアガラをくっつけた。

結果的にはナイアガラの滝を見れてよかったかもしれないが、
その分もう少し島にいてもよかったかも・・・というぐらいに魅力的な島だった。

計画段階でよかったことは、旅行社とメールでやりとりできたことだ。
郵便や電話で通信するより、話しが早く進むし費用もかからない。
CCを利用して、常に旅行社と友人とわたしとの3人で同時にメールのやりとりをする。
同行する友人は大阪に住んでいるのだが、こうすることによって同時進行できた。
資料や書類、参考文献や参考サイトなどすべてメールで用が足りる。
ほんとに便利だった。

こうして何度もプランを練り直し、希望通りの「赤毛のアン 夢の旅」コースができた〜♪
あとは図書館で写真集を借りて眺めたり、「赤毛のアン」を読み直したりと
イメージを膨らませつつ、出発日を待ち望んだ。



アイランダーの家
アイランダー(島民)の家
100年以上前の建物
Kindred Spirits Country Inn
キャベンディッシュの宿
Kindred Spirits Country Inn

PEI名物のロブスター
PEI名物のロブスター
手づかみで豪快に食べる
PEIの典型的夕食
PEIの典型的夕食はクラムチャウダー
フルーツ、マフィン、アイスクリーム、紅茶付き

グリーンゲイブルス
「赤毛のアン」の家のモデル
グリーンゲイブルス
恋人の小径
「赤毛のアン」の小説に出てくる
恋人の小径


「赤毛のアン 夢の旅」に行ってきました 

8泊10日間の旅を終えて、初めての「赤毛のアン 夢の旅」に大満足。
プリンスエドワード島の魅力に取り付かれて、次回は長期の滞在をしたいと思っている。

この旅でなによりよかったこと、自然がいっぱいで人が少ない〜♪
都会の喧騒を離れてのんびりと過ごし、「赤毛のアン」の世界に浸れたこと。

フリータイムを多く取ったことは、大正解だった〜♪
州都であるシャーロットタウンは人口3万人の小さな街で、
ダウンタウンは歩いて回っても、一日あれば十分なところだ。
ゆっくり見たいところがあれば、少し早めに宿を出れば大丈夫。

アンの村キャベンディッシュは、いわば田舎なので、すべてを歩くのは無理。
現地で一日アン・ツアーを利用すればいい。
車の運転ができるなら、レンタカーを借りて思う存分フリーに動くのがいい。
人口が少ないから道はすいているし、いたるところで詳しいマップをもらえる。

歩いていけるところもたくさんあるし、レンタサイクルもあり、
シャトルバスやダブルデッカーも走っているので利用できる。

現地の人たちはなべてみんなフレンドリー〜♪
英語は米語より発音がはっきりしていてわかりやすい。
旅するだけなら中学英語で十分。

青空と白い雲が主役の風景はいつまで見ていても飽きない。
どこもかしこも絵になる風景ばっかりで、アマチュアカメラマンでも絵はがきができる〜♪

「赤毛のアン」ゆかりの観光ポイントは、あちこちに散らばっているので
少しゆとりを持って、一日ニ、三ヶ所ずつ回れたら最高だ。

写真を撮るのもよし、絵の道具など持参してスケッチもよし
ぶらぶらと自然のなかを散策するもよし、
ただただのんびりとその場に身を置いているのもよし・・・

こういうところに生まれ育ったからこそ、
モンゴメリは「赤毛のアン」をつむぎ出したのだな、と感慨無量。

すばらしい旅をすることができたのは、たくさんの人たちのおかげです。
協力してくれた家族、同行の友人、わがままを聞いてもらった旅行社・・・
そして、旅の途中で出会ったたくさんの人たちに感謝!

フレンチリバー
島の典型的風景のフレンチリバー
青空と白い雲と緑の木々と赤い土
セント・メアリーズ教会
島に596ある教会の一つ
インディアンリバーのセント・メアリーズ教会

6月の花ルピナス
キャベンディッシュ・ビーチへつづく道
6月の花ルピナスが満開
キャベンディッシュ・ビーチ
キャベンディッシュ・ビーチ
赤土の崖のある海岸
絵本のような風景
キャベンディッシュ郵便局裏に
絵本のような風景が・・・


「赤毛のアン」の島へ行きませんか

来年は、「赤毛のアン」の出版100周年記念の年に当たる。
島のあちこちでいろいろなイベントが催されるだろう。
記念の年に、プリンスエドワード島へ旅してみませんか。
そして、すばらしい感動を味わってみませんか。

この殺伐とした現代社会に、まだこんな素敵な場所があると知るだけでもいい・・・
いつかはこんなところに住んでみたいと思わせる場所です。


制作: かぼちゃ

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