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制作:高山

「鎌倉シニア通信」創刊以来、仲間の協力を得ながら40回連載を続けた「鎌倉のお寺さん」は、 とりあえず昨年末(平成17年)で一区切りつけさせて頂きました。

私にとって、毎月欠かさず「鎌倉のお寺さん」紹介 記事を書くという生活は、月刊誌連載をしているようで、 連載の定番ページとして欠落させてはいけないと気の抜けない毎日でした。
でも、読者から一言頂くと励みになり継続のエネルギーとなりました。

お寺さんの訪問記はひょんなことから連載することになりました。
「古都鎌倉」といえば「武家の都」であり寺社仏閣がたくさんある街、とイメージされて土・日や祭日には観光客や寺社めぐりの人々で賑わっていますが、 ふと、市内にお寺はいくつあるのだろう?、長年住んでいても鎌倉に仏閣がいくつあるのか?。
では、調べて見ようと市役所や観光協会にお聞きしたが分からない。菩提寺の住職に聞くと「120位かな」。 宗派別の数は?「うちの宗派なら分かるが他の宗派は分からない」ということで、市内には資料のないことが分かった。
あるとき、神奈川県庁に宗教法人として届けられている 寺社をまとめた小冊子があることを知り購入した。これを元に覚えてての「HTML」でまとめてみた。

その頃、我が家の近所でシニアや主婦向けのパソコン教室が開設され、知人から忙しいので手伝ってくれと依頼され、NPO法人「鎌倉シチズンネット」に 入会し教室を手伝うことになった。
教室では講座が終わると有志で「HTML」勉強会があり、発展してホームページを創ることになった。
私は、たまたま興味を持って調べた 宗派別寺院資料をまとめたものを提案したところ、「HTML」の先輩が一覧表に整理してくれました。 「鎌倉のお寺宗派別一覧」
この表を元に寺院を訪問し、各住職のお話(説明・解説)を掲載した「お寺さん紹介記事」を連載しようと「鎌倉シニア通信」創刊から4年間、編集長や仲間に助けられ励まされてお寺さんページを担当してきました。

お寺1 お寺2 お寺3
お寺4 お寺5 お寺6
▲ 紹介させていただいた、お寺さんの一部(ランダム選択)の本堂

「お寺さん訪問記」を始めた当初、お寺のお坊さん(住職)は
気難しくとっつきにくい方々だと思っていました。
が、 どのご住職も人格者(当然ですが)で親切で優しい方々でした。
取材1 取材2 取材3
▲ 取材中の一こまです。(資料を撮影・メモを取ったり・時にはお祈りしたり)

神と仏・神仏混淆(神仏習合)・廃仏毀釈など経た、各お寺の故事来歴などを各住職からお聞きしてお寺の歴史を勉強をしました。

どのお寺の住職さんもお忙しく、公務を兼務(学校の先生が割合多いいですね)されている方、幼稚園・保育園の経営にたずさわっている方、 そして植木屋さんはだしで境内の植木・草木の手入れをなさる方。考えていた以上に各住職はお忙しいですね。

価値観が多様化している今、お寺あるいはお墓に対する考え方が変わりつつあるようですね。

ある新聞で夫婦でお互いの実家に帰って心がけていることを聞いたところ、
夫も妻も「仏壇があれば早めに線香をあげる」が3位であったとか。
「嫁としてご先祖様を大切にしなければならない気がする」
「亡くなった人を敬い大切に思う姿勢を示したい」(30代女性)と気遣いされる方。

一方先祖のお墓ではなく私のお墓、 さらにはお墓ではなく散骨する意思の方もいる。

最近の若い人たちはお寺との「つながり」が全体に薄くなってきているようです。
先祖代々菩提寺としての仏事以外に、お寺の意義や仏教をわかり易く伝える努力がこれからのお寺さんには必要になっているのではないでしょうか。

墓守のいなくなった墓地が増え、「子孫に墓守をしてもらわなくても良い」、「永代供養(共同墓地?)」が増えると、昔は寺小屋として子弟教育の場でもあったお寺さんは どのように変わって行くのでしょうか。考えすぎですかね。


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