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―各区の被害状況― 大町 戸数527戸の内、全壊196戸、半壊301戸、埋没１戸、死亡21名です。被害が最も激しかったのは大町四つ角周辺、 大町四つ角から安養院前までの県道沿い、延命寺付近、名越方面等でした。 八雲神社では社殿が全壊し、神輿庫（みこしぐら）が大破しましたが神輿は無事でした。 妙本寺は釈迦堂・鐘楼・客殿・庫裡・総門・蛇苦止堂（じゃくしどう）などが全壊し、祖師堂・経蔵は小破でした。 その他は、常栄寺・別願寺・安養院・本興寺・延命寺・教恩寺等が全壊し、上行寺の山門と稲荷堂、妙法寺の鐘楼と釈迦堂、 長勝寺の鐘楼・宝蔵・山門・客殿等も倒れましたが、安国論寺・妙法寺・長勝寺・大宝寺・上行寺の各本堂は倒壊しませんでした。 また、県道の名越踏切からトンネルまで約327mの区間で亀裂を生じ、坂の両側は決壊し、トンネル入口の崖が崩落。 八雲神社から妙本寺総門までの約320mと同門前で十数メートルにわたり亀裂を生じ、安国論寺前の水路沿いや、逆川（さかさがわ）沿いはいたるところで決壊しました。 橋では、夷堂橋（えびすどうばし）は橋脚が崩壊し、延命寺橋・妙法寺橋・本興寺橋・釈迦堂橋等が墜落し、 山林は八雲神社の裏山や常栄寺の裏山、安養院の裏山などが崩れ旧観が大きく失われました。 『鎌倉震災誌』（昭和５年 鎌倉町役場）の記載内容から 浪川幹夫 |
長勝寺の被害状況（鎌倉市中央図書館蔵）
安養院の被害状況（鎌倉市中央図書館蔵）