関東大震災の鎌倉 その6
―各区の被害状況―
二階堂
戸数106戸。うち全壊11戸、半壊19戸、死亡者は2名で、人家の被害については川沿いの部分が最もひどかったといいます。 なお、死者のうち1名は小町鎌倉銀行本店で執務中のものでした。
鎌倉宮は勅碑と手水社が倒壊し、境内の山林2ヶ所が崩壊しました。 村社荏柄天神社は辛うじて倒壊を免れ、杉本寺は被害少く、覚園寺は地蔵堂が全壊し、 仏殿・不動堂・太師堂は半壊、国宝地蔵菩薩木像(現、重要文化財)は大破しました。 瑞泉寺では本堂・庫裡・総門が全壊し、国宝夢窓国師木像(現、重要文化財)が壊れました。
また、道路は川沿いの各所で決壊し、歌の橋、荏柄橋などが墜落しました。
西御門
戸数43戸。うち全壊8戸、半壊5戸で、死亡者は1名です。 家屋の被害は比較的軽少で道路もわずかに水路沿いが決壊しましたが交通上の支障はなく、 また、崖は各所で崩れましたが、崩れた付近での人家や人命に対する損害はありませんでした。
村社八雲神社は被害は軽微でしたが、来迎寺と高松寺は共に本堂と庫裡が全壊しました。
『鎌倉震災誌』(昭和5年 鎌倉町役場)の記載内容から浪川幹夫
写真 荏柄天神社の被害状況(鎌倉市中央図書館蔵)
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