◆アメリカが日米開戦後設けた「戦争地域における美術および歴史遺産の保護救済委員会」に提出したウォーナー博士のリストは、大統領の決裁や陸軍総司令部などをへて、軍部の関係各部へ配布されました。 ◆リストの内容の「解説」では、日本には貴重な文化財が多数残されており、特に京都を始めとして奈良に多いが、爆撃で焼失するか、破壊されたら取り返しのつかない大損害であり、戦禍を免れたら世界の文明国の利益は計りしれないというのです。続いて鎌倉・宮島・日光などを挙げ、博物館では帝室博物館(国立博物館)など9つの主な博物館の中に鎌倉の美術館(鎌倉国宝館)を挙げています。 ◆またリストの「地図」には、京都・奈良・東京などを中心に各地の文化財が示されていますが、鎌倉は円覚寺 舎利殿と銅大仏が記され、鎌倉国宝館を加えると3カ所になるのは、鎌倉がいかに重要視されたかがわかります。 リストに載せられている所は、京都・奈良を始め軍事施設などのなかった全国の文化財が爆撃から守られており、鎌倉もそのーつです。 |