(左より3番目)
角柱型

正面に「堅牢地神」(けんろうじしん又は、じじん)と刻みます。
文政十一年(1828)と刻んであります。

●「堅牢地神」とは、バラモン教の中の12の神が仏教に取り込まれ、それぞれの方位や位置を守る十二天の一つです。
地天(じてん)ともいわれ、大地を司り、天に配される梵天と対比されます。
「地天」の文字が示すように、「堅牢地神」の石塔は、農民が豊作を祈願するために造立したものが多く、「地神講」がつくられ、塔が造られることもあるようですが、ここでは庚申信仰の講中により立てられたものでしょうか。

●広辞苑によれば、地天は、仏の成道のとき大地より現れてこれを証明し、また、仏の転法輪(仏の説くところ、”戦車の車”が敵を粉砕するように、衆生の迷いを破ること、すなわち仏の説法)を諸天に知らせるということです。

●なお、十二天には、日天、月天、梵天、地天、帝釈天(東)、水天(西)、毘沙門天(北)、焔摩天(南)などが含まれます。