トスボール

10月の絵  トスボールというスポーツをご存知ですか。分類すれば野球の一種といえるのだろうが、違うといえばかなり違う。まず第一に投手がいない。そのかわり『トスマシン』という小型の機器から自動的にトスされたボールを打つ。近い距離からゆるいスピードで、必ず同じコースのストライクがくるから、余程運動神経の鈍い人でない限り空振りはしないはず。一チーム9人は野球と同じだが、一回の攻撃で9人全員が打って、その得点を競う。一試合は5回の表裏の攻撃で終了するから、一時間以内で勝負がつく。ボールとバットは、このトスボール用に開発されたもので、あまり飛ばないし危険もない。

 九月中旬、鎌倉逗子トスボール協会が設立され、十月十一日の土曜日から、”第一回 母と子どものふれあいトスボール大会”が開催される。この大会は、タイトル通り母親七名、小学四年生以下の子ども七名でチームを構成するのがルールである。これがユニークな点で、母と子が一緒に走り回ってプレーする姿を想像するだけでも微笑ましい。今、少年野球もかなり盛んだが、その母親たちの熱狂的な声援ぶりの方が子どものファイトを上回っている位だから、あのお母さんたちが自分も参加するとなったら、もっとハッスルするに違いない。

 地域の人と人のふれあい、家庭内での親子のこころの交流、二十一世紀は「心の時代」と謂われるなかで、この新しいスポーツはきっと良い働きをすると思う。神戸市須磨区に起きたあの小学生殺害事件を教訓に、子どもたちと話し合おうというキャンペーンを積極的に進めている文部省もこのトスボールに強い関心を寄せている。

 中高年から小学生まで、一つ場所で爽やかな汗を流す、週休二日時代の過ごし方としては最高だとお思いになりませんか。(S.Y)

鎌倉ケーブルテレビ広報誌
「チャンネル鎌倉」
平成9年10月号掲載
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