デジタル放送最前線 続編

2003年3月23日  2月号で「デジタル放送」のことを書かせてもらったが、今年の12月にいよいよ「地上波のデジタル化」が始まるというのに、余り盛り上がってこないのは何故なんだろうか。ひとつはデジタル放送を行うにあたって、従来の(今、皆さんで観ておられる地上波の放送)放送が全て関東地区は東京タワーから電波が発せられているのだが、多摩とか八王子とか他の地区でその電波が弱いために中継して強める中継局を作って放送している。この中継局が使っているUHF帯を今回の地上波デジタルが使うため、別の帯域に移さなければならない。これの影響うけている一戸、一戸を回ってチャンネル調整を行うことが必要になってくる、今年の12月に始まるというのに、このていたらくではデジタル開始といっても、この作業が終わるまでは、混信を来たすために全面的には出来ない。鎌倉、逗子にやって来るには、まだまだ時間がかかりそう。この辺が、一機にデジタル化の気運が盛り上がらない大きな要因であろう。それはともかくとして、デジタル時代は間違いなくやって来る。私どもとしても、このエリアの皆さんのデジタルテレビの普及度をにらみながら、ケーブルを通してデジタル放送を配信していきたいと考えている。
 それには、多チャンネルに適していると言われる、伝送路を現在の同軸ケーブルから光ファイバーに変えることが必須となってくる。それがデジタル時代、ブロードバンド時代を迎えるケーブル業者として第一義にやらなければならないインフラ構築とも認識している。
 様々な条件があるものの、遅くとも来年中頃にはそれが出来ていることが必要だと考えている。全国と比してデジタルデバイド(情報格差)がこのエリアに起きないようにするのが私たちの役目だからである。鎌倉、逗子のエリアの皆さんに、高画質、高音質、ハイビジョン放送、データ放送、電子番組表、双方向機能など、今までの放送とは違った見当もつかない、新しいメディアが眼前に展がってくるし「視るテレビから使うテレビ」への変換も出来てくる。
 もうすでに鎌倉、逗子の世帯数の過半数がケーブルテレビでテレビをご覧になっている現在、私たちの進めるデジタル化の持つ意味は大きい。一四四〇万の全国のケーブルテレビ視聴所帯が地上デジタルに取り組まないとしたら、日本のデジタル化は進まないと言って過言ではない。コストは莫大にかかるものの、そこから収入は大きく見えていない現状、たしかに苦しい状態ではある。その次に提供するサービスは何か、私たちに課せられた義務は大きい。

(A・M)

鎌倉ケーブルテレビ広報誌
「チャンネルガイド」
平成15年4月号掲載
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