困った世の中

2002年4月30日  年令のせいばかりではないと思う。どうにも気にいらないことや、納得出来ないことが、世の中に横行していて、自分ひとりで腹が立って仕方がないのである。
 第一は、何といっても鈴木宗男、加藤紘一の離党問題である。自民党を辞めたことで両氏の疑惑についてはケジメがついているという与党の言い分は、呆れてモノが言えぬ。国会議員としての資質と行為の是非が問われているのに、自民党を辞めさせられて可哀そうと、国民が思ってくれていると思っているとすれば、己惚れと世間知らずも甚だしい。一方、攻め手側のエースが、これ又無知としか言いようがないルール違反を問われ、あっさり議員辞職に追い込まれたのは、小物議員故の悲哀と言えるが、鈴木、加藤両氏にとっては、尻の穴がムズムズするような心境ではなかろうか。
 こんなことに、日本の政治が右往左往している間に、新年度予算はあっさり成立、総理大臣さまは、構造改革は着々と進んでいる、デフレ対策も雇用問題も手を打ってある、と毎回変わらぬ記者会見だが、ことばの力強さは失われていくばかり。これ又あれだけご贔屓を頂いた国民の皆さまも、改革の型が見えないことには、純ちゃーん、と黄色い声も挙げにくいのではないか。いや、冗談を言っている場合ではない。国民全部が、与党も野党もない、日本の政治そのものに絶望しかけている現状は、極めて深刻ではないのか。
 些か旧聞で恐縮だが、ソルトレイクの冬季オリンピックのスキー競技。少しスポーツを理解する人なら、昨年からのW杯のスキー大会の結果から、日本選手の実力がいま世界でどの位かぐらい、大体お察しがつく。長野の夢を、と囃したてるマスコミも、商売柄とは申せ、大いに問題だが、兄貴分格の原田雅彦選手の態度はいかがなものか。明るいのは性格だから悪いとは言わないが、ノーマルヒルの後、ラージヒルは得意だからとか、気休めみたいな言い方されると腹が立つ。あなた方誰のカネで参加させて貰っているのかと、憎まれ口も言いたくなる。それに引き換えスピードスケートの清水宏保選手、銀じゃダメ、金が取りたかったと、口惜しさをむき出しに語っていたのは、気持ちがストレートに伝わってきて共感出来た。世界の舞台、その位の闘志、向かって行く気持ちがなくて、メダルなど取れる訳はない。代表選手団の人数など、どうでもよいことだ。
 最後にもう一つ。三月で終わったNHKの朝のテレビ小説「ほんまもん」。ストーリーのご都合主義は、毎度のことで致し方ないが、今回のヒロイン位、生意気で、自信過剰で、いやな女はなかった。毎朝のことだから、贅沢は言わない、せめて主人公から朝の爽やかさ位は感じさせて欲しかった。

(S・Y)

鎌倉ケーブルテレビ広報誌
「チャンネルガイド」
平成14年5月号掲載
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