偏界一覧亭旧跡
(へんかいいちらんてい・きゅうせき)

 

昭和十年(1935)三月 鎌倉町青年団建


碑文

亭は 嘉暦(かれき)三年(1328)夢想国師の建立にして五山の僧徒(そうと)屡々(しばしば)詩会を催せし所なり 然るに其後頽廃せしを 徳川光圀一堂を建て 其傍(かたわ)らに寮を設け 一覧亭集詩板を縣けしといふも 堂寮共に今なく 礎石を存するのみ  前毛(も)またかさなる山のいほりにて 梢につつく庭の白雲 は夢想国師の此亭にて詠めるものなりと伝えらる

説明

偏界一覧亭は、1328年に夢想国師(むそうこくし)が建てた建物で、鎌倉五山の僧侶たちが、よく詩会を催した所です。しかしその後荒れ果てているのを水戸光圀(みとみつくに)が堂を建て、そのそばに東屋(あずまや)をつくり、 一覧亭集詩板をかけたといいますが、堂も荘も今は無く、基礎の石が残っているだけです。「前もまた重なる山の庵にて 梢(こずえ)に続く庭の白雲」は夢想国師がこの亭で詠んだものと伝えられています。
位置
二階堂710,瑞泉寺の石庭後方の山道を100メートル登った山亭跡地に建つが、現在は通行禁止である


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