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浄智寺訪問記

2005年4月14日



今回は、寺社仏閣の多い鎌倉でも有名な、臨済宗円覚寺派・浄智寺です。臨済宗の寺格を示す、鎌倉五山第四位のお寺です。
北鎌倉駅から鎌倉側へ徒歩5分ぐらい横須賀線踏み切り手前を右折すると山門が見えます。お寺までは8分ぐらいでしょうか。

所在地:鎌倉市山ノ内1402




甘露の井
甘露の井
山門
山門

山門手前左に、鎌倉十井の一つ「甘露の井」があり、周囲を緑の山々で囲まれた寺域は、国の史蹟として指定され保護されています。

花冷えが3日ほど続いた後の穏やかな春日和、桜の花びらが舞っている2005年4月14日午前にお伺いしました。
来客も多く、また出版社等からの浄智寺に関する記事の校正依頼もあり、ご自身でも各種講演や執筆をされ大変お忙しい浄智寺閑栖・朝比奈宗泉和尚に 僅かなお時間を頂き含蓄あるお話を伺いました。

現在、インターネットで浄智寺を検索すると大勢の方がページを作成していますが、勉強不足のためか誤った記事を書いているのが多い。 辞書を引けばすぐわかるようなことも調べもせずに載っています。
インターネットに限らず、雑誌やその他の書物も、いろいろチェック依頼が来ます。これも 多少勉強していればよいのですが、不勉強なままチェック依頼を受けると直す手間が大変です。

山門額   山門入り口には「宝所在近(ほうしょざいきん)」の額があり、宝の場所はちかきにあり。

これはお経の文句で「お前さんもう一寸修行をしなさい。そうすれば 立派なお坊さんになれますよ」という意味だそうです。


鐘楼

この鐘楼門の額は「山居幽勝(さんきょゆうしょう)」と書かれています。「この場所は綺麗だ(綺麗だね)」という意味だそうです。

ご本尊が祀られている「曇華殿(どんげでん)」の、曇華は優曇華(うどんげ)です。
辞書を引けば出てきますが、優曇華は三千年に一度咲くという珍しい花で 、珍しいことの喩えから、貴重なるお堂、重要な仏さまをお祀りしたお堂という意味で名づけられました。

ご本尊は左から「阿弥陀如来」 「釈迦牟尼如来」「弥勒如来」。
阿弥陀は過去・釈迦は現在・弥勒は、はるか先の未来を救い出すために待っておられる仏様です。
  本尊

現世に生きる者として、そんな先のことよりも今救ってほしいということで、布袋様が弥勒菩薩の化身となって今の世を見守っておられる。 浄智寺の弥勒さんは、如来像のお姿なので「弥勒如来」と申し上げています。

浄智寺では、鎌倉七福神の布袋尊をお祀りしています。 布袋様は七福神で唯一、実在の人物です。中国の「契此(かいし)」という高僧だといわれています。布袋尊は、大きな袋を両手で 背負っていますが、浄智寺の布袋尊はにこやかに前方を指でさしています。これは「私の幸せ何処にあるのでしょう」と、布袋尊に お聞きする方がよくあるので、「お前のすぐ後ろだよ。宝は近くにあるよ」とおっしゃっているのです。つまり「幸せは、すぐそばにあるんだよ」と。
  布袋尊

浄智寺には、四季折々に色々な花が咲きます。「東国花の寺百ヶ寺」という札が下がっていました。編集子が伺ったときは、三椏をはじめ海棠・ 山吹・牡丹・シャガなどが咲いていました。また、神奈川県名木百選にも選ばれている「立彼岸桜」もあります。

浄智寺の4月の花

(タチヒガンザクラ)
(ミツバツツジ)
(カタクリ)
タチヒガンザクラ
ミツバツツジ
カタクリ

(ヤマブキ)
(シャガ)
(ミツマタ)
ヤマブキ
シャガ
ミツマタ


カナダからの観光客 編集子が境内を撮影していると、にぎやかなご婦人の団体にシャッターを押すよう依頼されました。
いろいろ話を伺うとカナダ在住の二世で、故郷に戻って鎌倉見物をしているとかで、ほとんどがバンクーバーやトロントの方でした。
5月になって、この掲載写真がカナダから見ることができたかどうかの便りが楽しみです。



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