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三十番神宮訪問記

2002年10月9日

鎌倉の寺院を訪問する「鎌倉のお寺さん」
今回は特別企画として「手広の三十番神宮」を訪問
年に一回の三十番神ご開帳の日に取材させていただいた



三十番神社は、県道藤沢−鎌倉線の手広バス停を30M程藤沢方面に行き、左にある細い路地を入り、公園を過ぎた所にある1.5M位幅の神社に至る道を入った所にあります。
このシリーズは、お寺さん訪問記なのに、今回はなぜ神社なのか?
とりあえず一読してみてください。



このかいわいで生まれ育った土地っ子も、子供のころに番神社と呼び、遊び場の一つとしていたが、古くから伝わる習わしやしきたりを知る人は少ない。
鎌倉シニア通信の編集スタッフも、ひょんな事で知ることができた。

お寺さんシリーズ五回目で紹介した「笛田山・佛行寺」にも三十番神があった(佛行寺の由来を参照)。佛行寺を取材した折に、住職から、「この付近では手広の嶋村さん宅の側にある神社に、三十番神をすべて揃えてお祀りしてある」ことを教えていただいた。
その後、地元で歴史を調べている方に氏子さん達を紹介して頂き今回の訪問となった。



前日の清掃
三十番神の年に一度の祭礼の前日、講中(氏子、といっても全部で8軒)が、早朝から総出で、お社の内外及び周辺の清掃をする。

夜は、講中一同で遅くまで「講」をして、翌日の祭礼を迎えるのが習わしとなっているそうだ。


編集スタッフのお寺さん担当記者は、前日の清掃と夜宮(前夜祭)そして祭礼当日に取材をさせていただいた。

前夜の講
講中が講をする夜宮では、皆さん生まれた時からのお付き合いなので、「○○チャン」と親しく呼びあいながら、和やかな会話がはずんで夜が更けていく。記者も前半同席させて頂き、食事と振る舞い酒を頂戴した。



祭礼当日は、住職が来るまで最後の点検と準備に余念がない。
佛行寺の住職が来られると、まず、清掃時に移動した「嶋村釆女」の石碑をお祈りして、祭礼が始まった。次に三十番神に念入りにお経をあげ、今年革を張り替えたという太鼓を打ち鳴らし、お祭りは無事終了した。

祭礼をしめくくる焼香
最後は、太鼓とお題目を聞きながら焼香をして締めくくる。太鼓のいい音が響くと住職や氏子の皆さんの顔に笑顔が広がり、とても良い雰囲気だった。



祭礼の後の直会
その後は、住職を交えて直会(なおらい)が始まり、一年に一度の祭礼が無事に終わったことを喜び合っておられた。
写真後ろに見えるのは、「三十番神宮」に伝わる幟(のぼり)で、最近発見されたものだそうだ。




三十番神は木像なので傷むこともあり、数年前に八軒の講中が話し合い近所の彫師に復習してもらった。

鎌倉の狭い一区域で、昔からの伝統やしきたりを代々大切に守り伝えている人々がいることを紹介させて頂き、担当スタッフ一同、すがすがしい思いだった。こういうほのぼのとした家族的な信仰心に支えられながら、三十番神宮がこの先もずっと守り続けられることを願う気持ちになった。

読者の皆さまも、一度お賽銭をたくさん持って?お参りに行かれると、ご利益があるのでは・・・。

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