新米記者の「貞宗寺」訪問記


「鎌倉シニア通信」の刊行が始まった。
この中の目玉記事の一つが、
鎌倉の寺院を訪問する「鎌倉のお寺さん」。
第一回の訪問先は「玉縄山珠光院貞宗寺」。
2月はじめの訪問だった。


縁起にもあるとおり、2代将軍秀忠公のご生母の母親(祖母)の「貞宗院」様が開基という。

場所は鎌倉市植木656番地。 一口で言えば、JR大船駅から観音側で下り、藤沢に向かう県道の途中と云えばよいだろうか。

大船駅西口(大船観音側)下車で、大船フラワーセンターを目指し、フラワーセンター正門前を藤沢の遊行寺方向に歩く。
およそ800メーターほどの交差点を左折し、100メーターほどの交差点を右折する。(ここは「貞宗寺」の看板が電柱に掲示してあるのですぐわかる。) 大船駅から20分ほどで、歩くにはちょうど良い距離と云える。

貞宗寺本堂 山懐に囲まれてひっそりとしたお寺は、2月は白梅と水仙の花が盛りで、これから春にかけてさらにいろいろの花が咲きそうだった。
また、本堂正面の「イトヒバ」や「キャラボク」が素晴らしい。
長年お寺の消長を見守ってきた古木で、特にキャラボクは「鎌倉と三浦半島の古木・名木50選」に選ばれているという。

また大きな銀杏の木が2本あり、秋の景観もよさそうだ。
本堂でご住職にお会いし、お寺の縁起をうかがう。

また、秘仏や貞宗院様のご位牌、歴代将軍家(第二代〜代十四代)のご位牌を見せて頂く。
(一般の方には非公開です)。

貞宗寺は寺子屋として、近郷の子弟教育や、勉学に心ある者に論語・仏教や儒教の書、読み書き、算盤などを教えたという。

見せて頂いた中で特に記者の注目を引いたすばらしいものは「大蔵経(全500巻)」。
貞宗寺の額 明治時代に「荻原雲来上人」が当時の文化人に教えたものという。

荻原雲来上人は三重県の生まれで、帝国大学教授で、貞宗寺からの援助により7年間英国留学し、梵語(サンスクリット)の研究をした。
帰国後、貞宗寺にて有志を募り大蔵経を所蔵したという。


本堂の内陣との間にある「貞宗寺」の木彫の額も見事で、これは是非写真集をご覧頂きたい。

外に出て、御霊屋や墓地、永代供養塚(新設)などを拝見し、本堂左手の竹林の中にある「荻原雲来上人の碑」をお参りする。

大変心なごむ名刹で、春の半日が静かに過ぎた。

  

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