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最新号

九品寺訪問記

2003年8月20日



今回のお寺さんは、”浄土宗・九品寺“ 鎌倉駅東口からバスで7〜8分徒歩では20分ぐらいか、材木座の海岸近くにあるお寺にお伺いしました。梅雨明けしましたよと気象庁が発表してからも雨と低温が続き、残暑らしき日もこれから望めるかという8月下旬でした。

所在地:鎌倉市材木座五丁目13−14



若宮大路から鎌倉消防署を左に入った道路と、小町大路から海岸に向かう道路の角地に位置し道路と山門、山門から本堂とあまり距離がない。山門を入ると、右に「ナニワイバラ」(白い一重のバラ)の棚があり、「ボケ」も植えられていてお花の時期(4月上旬から)はみごとな景色になる。正面に本堂、左に庫裡、本堂裏に墓地がある。
新田義貞鎌倉攻めの本陣跡に、北條方の戦いで亡くなった多くの戦死者を弔うために、
新田義貞が創建したお寺である。

お忙しいご住職に、お時間を頂き庫裡でご説明をお聞きした。

九品寺というお寺の寺号のいわれを伺った。浄土宗三部経のなかに阿弥陀仏が説法され九品來迎印があり(上品・中品・下品にそれぞれ上生・中生・下生があり九品となる)この九品が寺名となっている。又、山号も新田義貞は朝廷の勅を奉じ当地を内裏として陣営を設けたので内裏山になっている。


九品の一言メモ
阿弥陀さまの手の形が、左図の手の形から右図の手の形まで9種類(九品)あり、左が上品上生、右が下品下生となる。

人の生前の信仰度合いや徳の積み方で九通りの往生があり、上品上生(じょうぼんじょうしょう)は最高の往生を示します。

上品、中品、下品の3つがあり、それぞれに上生、中生、下生があり全部で九つになります。

九品の手の形はこちらを見てください。

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縁起 屏風
三世順妙和尚が印した縁起書輪島塗の屏風に法然上人絵伝


大切に保管されている当寺三世住職「順妙」が書かれた当寺の縁起書を見せていただいた。内容は、縁起のページに写し書きをしました。

床の間の輪島塗り屏風は法然上人の絵伝(全74ページあり)で、当寺のは6ページ分を日展に何度か入選された方が作製されたとか。平成23年が法然上人800年大遠忌にあたり、「総本山知恩院」に絵伝を所持している寺院より集められ展示されるそうです。



指定書 薬師如来
石像薬師如来像の神奈川県
重要文化財指定書
鎌倉国宝館に安置され展示されている。


境内から発掘された石像薬師如来像は、当寺建立より古い年代、永仁四年(1296年)に作製されたものだとか。現在は鎌倉国宝館に寄託し展示されている。

又、国宝館には、当寺所有の石像「閻魔王坐像(承応四年)銘」「奪衣婆(だつえば)坐像(承応四年)銘」もあわせ展示されています。

文字画 文字画
南無阿弥陀佛の文字画 無数の南無阿弥陀佛が線となっている

文字画
左の写真は阿弥陀様を関東総本山光明寺九十九代規譽上人が南無阿弥陀仏の六文字を連ね描かれた掛軸で、上の写真2枚は一部分を拡大したものです。
南無阿弥陀佛の文字のつながりがわかり何千文字?もっとあるのか。

規譽上人が、南無阿弥陀仏と唱えながら お書きになっている時の、邪念のない、心が澄み渡った修行の深さに感銘しました。


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八幡を望む 斎(おとき)で使用
向いの山すそに鎌倉八幡宮を望む法事の際、斎(おとき)等に使用される月影庵

お墓の上が、鎌倉八幡宮のお社と同じ高さになっているとのことで、本堂左奥の小高い場所に案内された。
写真集に掲載した「薬師堂」や合祀墓の「倶会一處」が設けられていて、北の方角に鎌倉八幡宮が望める。
このような地形で、海岸にも 近い場所を新田義貞は本陣として選んだのではないか、と住職の説明をお聞きしながら、取材子も周囲を見回し納得。

檀家の法事等で食事や休憩に使用される、木造サッシの別棟(大正初期の建物)月影庵もあり、前面に藤棚があり駐車場もあるので何かと便利だ。



九品寺のTop
九品寺の縁起
九品寺写真集

九品寺周辺地図


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