鎌倉の散歩道−9

鎌倉・建物散歩

制作:ひろさん

鎌倉には路地裏を歩く楽しみがある。

今回は、鎌倉駅から江ノ電・長谷駅までの散策路。
途中の、景観建物と文学史跡などを紹介する。

路地裏に建物を探しに行くのはご自由に・・・
(註・鎌倉文学館以外は公開されていません)

概念図
先ず、長谷に向かう前に段葛に面した
「三河屋本店」を訪問したい。
平成13年度に鎌倉市から景観重要建築物
の指定を受けた現役の酒屋さん。

戦前の商家を代表する建物という。

三河屋本店
 
六地蔵
(三河屋本店)
伝統的な出桁(だしげた)造りの店構え
(六地蔵)
罪人の霊を弔うために祀ったのが始まりと云われている

JR鎌倉駅・市役所側(裏駅)からスタートする。

裏駅の道(今小路)を海に向かって歩く。
大きな交差点(六地蔵交差点)左側に「六地蔵」。
六体の地蔵尊が可愛らしい。

交差点を左折して、江ノ電踏切際・右に
日本基督教団・鎌倉教会会堂と、
ハリス記念鎌倉幼稚園がある。

幼稚園は明治43年に建てられた洋館で、
関東大震災により倒壊し大正14年に再建された。

長谷に向かう道に戻り、しばらく歩くと右側に「寸松堂」。

ハリス記念鎌倉幼稚園
 
寸松堂
(日本基督教団鎌倉教会付属・
ハリス記念鎌倉幼稚園)
 
(寸松堂)
この建物は、昭和11年、鎌倉彫の彫師佐藤宗岳氏の店舗併用住宅として、市内の大工西井喜一、正二親子によって建てられた


寸松堂の前を江ノ電の線路までたどると「高浜虚子庵跡」。

寸松堂まで戻り、路地に入る。
しばらく歩き、左折すると「吉屋信子記念館」。
この記念館は、女性の文化教養の場として、
活用されている。


虚子庵跡
 
吉屋信子記念館
(虚子庵跡)
1910年(明治43)から鎌倉に移住した高浜虚子の住居跡
 
(吉屋信子記念館)
鎌倉をこよなく愛した吉屋信子は、1962年(昭和37)この地に新居を構え、亡くなるまで住んでいた

鎌倉文学館まではいくつかの路地をたどる。

鎌倉文学館は加賀前田家の別荘で、
鎌倉市が寄贈を受け、鎌倉市ゆかりの
作家の遺品等を展示している。

鎌倉子ども会館は、明治41年に
福島浪蔵氏邸として建てられ、
大正10年に諸戸清六氏の所有となり、
昭和55年に鎌倉市に寄贈された。

鎌倉文学館
 
鎌倉子ども会館
(鎌倉文学館)
 
(鎌倉子ども会館)

長谷の大通りに戻り、「のり真安齊商店」を探そう。

平成13年度に鎌倉市景観重要建築物の
指定を受けた、大正13年建築の建物。
近世の商店建築の面影を感じさせると云われている。

このあたりには、同時代の建築物がまだ残っている。

のり真安齊商店
(のり真安齊商店)


長谷の交差点はすぐそば。

ここから、鎌倉大仏にお参りするか、光則寺や長谷寺に行くか、
江ノ電に乗るかなど、残り時間を好きに設計したらよい。

鎌倉は気ままに歩くのにふさわしい街だ。


おまけ−1(景観重要建築物一覧)
おまけ−2(付近の重要建築物)
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