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鎌倉の散歩道−18

巨福呂坂と亀ヶ谷坂と化粧坂

「大仏坂切通しと極楽寺切通し」
「朝比奈切通しと名越切通し」に続いて
シリーズ最終回は鎌倉の北西にある
巨福呂坂と亀ヶ谷坂と化粧坂を紹介します

今回は、いつもの若宮大路でなく、鎌倉駅西口スタ−トとしました。
晩秋の肌寒いうす曇の天気ではありましたが、
編集部員4名が歩きました。

市役所の見える交差点を右折する道は今小路といいます。
この人通りの少ない道を行きました。寿福寺の前の踏切を渡り、
長い板塀の川喜多かしこさんの旧宅前を通って八幡宮前に。



通りに雪ノ下おはやし連と書かれた車が停まっています。 向こうから小袋谷囃子会の車も来ました。八幡宮の本殿遷座式に からんだお囃子の奉納があるようです。駐車場から法被姿の いなせなお兄さんも出てきました。
先ず、旧巨福呂坂へ行くことにしました。駐車場を左折。 小高いところに紅葉がポツポツと見えます。横須賀への水道管 のあるトンネルの手前に史跡巨福呂坂と書かれた鉄柱が立って います。

川喜多邸の紅葉 鶴岡八幡宮遷座行事 旧巨福呂坂入り口
▲川喜多邸の紅葉
▲鶴岡八幡宮遷座行事
▲旧巨福呂坂入り口


そこを道なりにすすむと左に青梅聖天の鳥居があり、 さらに進むと舗道はなくなっていました。この後、民家の裏手に踏まれた跡があり、藪をこぎながら行くと、 右はるか下に小袋坂のバス道が見え、左側へも進めません。『かまくら子ども風土記』には、 青梅聖天の前から山の尾根を越え、円応寺の前から建長寺に 至ると出ていますが、今はそれを辿ることはできません。

巨福呂坂鉄柱 青梅聖天の鳥居 旧巨福呂坂は行き止まり
▲巨福呂坂鉄柱
▲青梅聖天の鳥居
▲旧巨福呂坂は行き止まり

白壁土蔵のある家の背後の山に紅葉が1本見えました。 元の道に戻ると、鶴岡文庫の前に遷座式記念特別展の看板が出ていたので寄りました。 修営目論見図絵、復元模型、屋根鬼などを展示していました。 往時を偲ぶよすがもない巨福呂坂洞門。

鶴岡文庫 巨福呂坂洞門 巨福呂坂送水管路ずい道
▲鶴岡文庫
▲巨福呂坂洞門
▲巨福呂坂送水管路ずい道

建長寺を過ぎると左に拝観を拒否している長寿寺。ここから亀ケ谷坂です。 カラ−舗装されています。落ち葉などで、却って滑り易くなっているとM記者。

石垣の上にはイワタバコの葉が少し。亀ケ谷坂と書かれた鉄柱は 土留めの陰にありました。峠の向こうはかなりの急坂です。 ここまで登ってきた人のために椅子が何脚か置かれていました。

亀ヶ谷坂への標識 亀ヶ谷坂の印塔 亀ヶ谷坂の痕跡
▲亀ヶ谷坂への標識
▲亀ヶ谷坂の印塔
▲亀ヶ谷坂の痕跡

2年前に新装なった岩船地蔵。武田流弓馬道教場の看板が掲げられている家。
海蔵寺への参道に紅葉したカエデがそこここに。 しかし、冴えません。

新装なった岩船地蔵 武田流弓馬道教場 海蔵寺への参道
▲新装なった岩船地蔵
▲武田流弓馬道教場
▲海蔵寺への参道

装い新たな山門をくぐると、日が差すのを待っているカメラマン。 本道裏の庭にも紅葉が3本ありました。 大きな赤松の高い所を剪定している植木屋さん。コケ蒸した庭に リンドウの花やミツマタの蕾が。異常気象で草木も戸惑っているようです。 萩が少し咲いている家もありました。

海蔵寺山門 海蔵寺扁額 海蔵寺梵鐘
▲海蔵寺山門
▲海蔵寺扁額
▲海蔵寺梵鐘

坂粧假と書かれた鎌倉青年団の石碑。三連休の最後の日とあって、 上り下りするハイカ−が交錯します。一部、濡れた坂道を登って 源氏山公園に。ここの紅葉も冴えません。ここで若い一人歩きの 女性から北鎌倉への道を尋ねられました。

化粧坂石碑 化粧坂の濡れた坂道 源氏山公園
▲化粧坂石碑
▲化粧坂の濡れた坂道
▲源氏山公園

化粧坂の険しい部分
ここが化粧坂の一番険しい部分です。
・・・そんな気がします。
大きな岩でゴツゴツした坂になっているので、騎乗の武者などは通るのにさぞ苦労しただろうと想像されます。


引き返して、葛原岡神社の方へ進むと、左手に日野俊基の墓といわれる 国史跡の宝篋(ほうきょう)印塔が石垣に囲まれて立っていました。 神社の鳥居の手前を右に折れ、少し下った所に「堀割」があると M記者。道の鞍部、右側、左手に切り立った崖、数m離れて右手に  木で覆われた岩場が見えます。かっての道ではないかとの説があると。

ここからの山道は被写体も少なく、歩が捗りました。 浄智寺へ下る道で先程の女性に追いつき、我々とちょっとした交流が ありました。

近在所寳の扁額が掲げられた浄智寺。宝は身近にあると読むの でしょうか。 なら、チルチル・ミチルの青い鳥だと別のW記者。
北鎌倉駅 0:50′着。約6km=3:15′の散歩道でした。

日野俊基の墓 堀割 浄智寺山門の扁額
▲日野俊基の墓
▲堀割か切岸か?
▲浄智寺山門の扁額


制作:ハイランド・亜郁  取材:だだっこ・湘南太郎 協力:かぼちゃ

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