・・・鎌倉シニア通信特集・・・
鎌倉の仲間達 No.9
川柳  いちょうの会
いちょうの図柄のライン

2002年7月18日(木)、午後13時30分

鎌倉生涯学習センター(旧鎌倉中央公民館)にて
「鎌倉の仲間」紹介・第九弾
川柳 いちょうの会の7月句会を取材

句会の風景
2002年7月18日の句会の風景

創立21年の「川柳 いちょうの会」の概要

鎌倉の視覚障害者の会「いちょうの会」の会員が川柳を通じて会員相互の交流を深めようとはじめた。

代筆、会計、誘導などのサポートをする健常者も参加するようになる
現在、会員34名(正会員28名、賛助会員6名)のうち、視覚障害者と健常者は半々ぐらいの割合いで、お互いに助け合って楽しく運営している

活動

定例句会: 毎月第3木曜日 午後2時〜4時30分
会場: 鎌倉生涯学習センター(旧鎌倉中央公民館)
会費: 年会費 2000円 + 例会費 500円(出席者のみ)
会報: 月1回発行

いちょうの図柄のライン

出来た句を点字に記録する点字の句を墨字に訳す
できた句を点字に記録する 点字の句を墨字に訳す

句会の進行

  • 受付および句の処理 
    点字で書いた宿題の句を墨字(普通の字)に訳し、句箋に書く
  • 席題 当日課題が1題出される 
  • 句作時間(約40分) 
    この間、句作に没頭、凛とした空気が流れる
    出来上がった句を句箋に書いて提出、このとき点字を墨字に訳す作業もされる
  • 休憩 
    選者が提出された句の選をしている間、出席者はお茶とお菓子を囲んでにぎやかに歓談、川柳談義その他に花を咲かせる
  • 選句発表 
    いよいよ、クライマックス! 提出された宿題と席題の句の中から入選句が発表される、各題それぞれの選者の言葉に傾注し、選ばれた句に感嘆の拍手、時には爆笑も渦巻く
  • 講評  
    選者の講評は、これからの句作のための貴重なアドバイス
  • 次回の宿題提示(2題) 
    各題それぞれ3句づつ作って、次回に提出

句箋に書いた句を提出選者の選句発表
句箋に書いた句を提出 選者の選句発表

平成14年6月句会の入選句から

入  選  句作句者

(光敬選)
山頂の味を覚えた登山靴八寿男
初出勤はりきり結ぶ靴の紐佑 子
靴音に喜怒哀楽が滲み出るダルマ

(ダルマ選)
ひとことが我を助けた友の知恵更 紗
友のくせ覚えて続くお付き合い佳 芳
ひと声で昔に戻る友がいるえ み
深い
(八寿男選)
雪深い古里だった母がいたつとむ
地に深くあしたの花へ根は伸びるよし子
原爆忌深い祈りと千羽鶴あき子

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足跡

  • フェスティバルへの参加:毎年6月に開催される鎌倉生涯学習センターのフェスティバルに参加、展示は十数回を重ね、毎回好評を博す

  • 句集の発行:発足10年目に句集「しずく」第一集を発行
    2001年には20周年を記念し、第二集が発行された

    この中に、選者の一人の言葉が載っている
    「現在、鎌倉でもっとも歴史が古く、毎月の例会に出席者の多いのがこの会です」

鎌倉駅横の地下道の展示句集「しずく」第二集
鎌倉駅地下道の展示 創立20年を記念して発行された句集「しずく」第二集

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・・・取材後記・・・

  • 取材当日の句会には男性9名、女性18名、計27名の参加。
    ポスターを見て見学に訪れたという女性2人が加わり、会場が一杯になるほどの盛況だった。
  • 友人に誘われて入会した人、市の施設で紹介されてきた人、介助から入った人など、動機はそれぞれながら、楽しくにぎやかな雰囲気がよかった
  • 川柳を始めて、難しい・奥が深い・言葉やボキャブラリの不足など、を感じたという。
  • 最初は、楽しく賑やかな雰囲気だったが、句作の時間になると凛とした空気が漂い、真剣さが伝わってきた。
  • 選者の一人から聞いたところによると、この会のレベルはかなりのもので、鎌倉でもトップクラスだそうだ。
  • 遠くは川崎の武蔵小杉から来ている3人グループがあった。健常者と障害者2人のお仲間で、遠くても楽しみなので苦にならないそうだ。
  • 創立以来21年間、障害者と健常者が助け合い、刺激しあい、こんな楽しい会を続けておられることに感嘆せずにはいられなかった。

(取材:まもる、かぼちゃ 制作:かぼちゃ)

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「川柳いちょうの会」へのお問い合わせ
電話: 0467−44−5048  (会長:清水みな子さん)

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