最新号


鎌倉・あの店・この逸品(48)

SARAH

当店は2010年に閉店しました

(住所:神奈川県鎌倉市大町1丁目1-12/電話:0467-22-0505)
(取材:2008年10月30日/12月2日)


ひやしうどん

(ひやしうどん)

SARAH は平成19年(2007年)10月にうどん屋になりました。
昭和45年にスナック・SARAHとしてオープンしたあと、37年経ってうどん屋に衣替えしたわけです。
メニューは五島手延うどん(五島列島産)の二品とすいとんの合計三品だけです。
SARAHは鎌倉駅から大町に向かう途中、大通りが滑川をわたってすぐの場所で鎌倉駅から徒歩5〜6分です。



● メニュー


うどん(温)   うどん(温)

価格:¥780

小鉢、さらだ 付き
 
ひやしうどん   ひやしうどん

価格:¥780

小鉢、さらだ 付き
 
すいとん   すいとん

価格:¥780

小鉢、さらだ 付き
 
なっぱ飯   なっぱ飯

価格:¥70

おしんこ 付き
 
(価格は取材当日の価格です)


● お店の様子

店内に入ると、右側に厨房、目の前にカウンターがあり椅子が六脚、左の窓側にテーブルが一卓と椅子が二脚のこぢんまりしたお店です。

メニューは黒板に書いてあります。
上記三品となっぱ飯だけが記載されています。
カウンター席は後ろを振り向けばテーブル席の客と直ぐに話すことが可能です。

お店のお客同士は直ぐにうち解けて話を始めます。

メニュー   カウンターとテーブル
(メニュー)
(カウンターとテーブル)


● 五島の手延うどんとめんつゆの話

SARAH のうどんは、オーナー(ママと呼ぶ方がふさわしい?・・・)の出身地の上五島の「ますだ製麺」製の乾麺です。

7〜8分ゆでて、ゆで加減を見て火を止めます。

五島うどんは細めで、キメが細かく、のどごしがよいのが特徴です。

上五島のますだ製麺製
手延うどん
ゆで加減を見る
(上五島のますだ製麺製)
(手延うどん)
(ゆで加減を見る)


めんつゆもママのこだわりがあります。
かつおぶし、いりこ、昆布を使って、五島の味を出すのに一年近く掛かったといいます。
細目の麺にからんで、薄味で甘めですが、なかなかへこたれないめんつゆです。

鍋のめんつゆ   冷やしうどん用めんつゆ
(鍋のめんつゆ)
(冷やしうどん用めんつゆ)


● すいとんは昭和45年から

すいとんはスナック時代のメニューの一つです。

当時は高度成長の最中で、スナック・SARAH は会社勤めのサラリーマンで毎夜賑わったそうです。

お客様の注文でいろいろ話を聞きながら作ったのがすいとんで、岩手県風と呼べるのかも知れないとの事です。

指で延ばして鍋に入れる   出来上がり
(指で延ばして鍋に入れる)
(出来上がり)

小麦粉を練ってからふきんにくるんで二晩ほど冷蔵庫に寝かせ、熟成させてから使うとのことです。
手で延ばしながら平べったくして、食べやすいサイズにちぎり、煮立てた鍋のめんつゆと野菜やちくわの具の中に放り込めば出来上がりです。

当時のサラリーマンたちは、お袋の味を思い出したのかも知れません。

● ママに話を伺いました

ママ
SARAHのママに話を伺いました。

長崎県の五島出身のママは昭和39年(1964年)に上京し、OLをしていましたが、昭和45年3月にこの場所でスナック・SARAHを開いたそうです。

高度成長期にはお店はたいそう繁盛しましたが、お客様が高齢化し夜飲み歩く習慣がだんだん少なくなってきたことから、思い切って平成19年(2007年)10月に昼の営業に切り替え、出身地の五島列島のうどんとスナック時代のすいとんを食べてもらう店に衣替えしたとのこと。

今でも昔のお客様から電話がかかると、営業時間を無視して昔のメニューを出し、往時を懐かしむこともあるようです。

SARAH
(SARAH)





● 営業時間/定休日など

  • 昼の時間 11:00 〜 15:00
定休日毎週 水曜日

地図

「SARAH」周辺地図



制作:ひろさん  協力:亜郁 太郎 高山

鎌倉の味処目次へ
最新号