リレー随筆:No.82

夏の味覚を求めて

「甘々娘(かんかんむすめ)」をご存知でしょうか?

糖度(14~15度)とフルーツのような甘さのトウモロコシだそうです。 なかなか入手が困難らしいのですが、山梨県市川三郷町で行われる「甘々娘収穫祭」で販売されるということで、家内と娘の3人で行くことに...

と行っても、張り切ってるのは家内で、私はただの運転手です。まあ、わずかなお楽しみとして、レンタカーは指定の車種にしてもらいました。

9時販売開始ということなので、早起きして出発。梅雨に突入したにもかかわらず天候にも恵まれ、また途中渋滞も無く、30分前には会場の山梨県市川三郷町歌舞伎文化公園に到着しました。 が、まったくその気配がありません。スマホで調べてみると、なんと昨日に終わっているではありませんか... 家内が、昨年の開催情報を見ていたようです。出だしから大きくつまづきましたが、さきほど降りた甲府南インターを出たところにある農作物販売所で「2017風土記の丘もろこしフェア」というのをやっているようです。 急いで引き返すと、既に臨時駐車駐車場も満車で、向かいにある県立考古博物館の駐車場に車を止めて列に並びました。

最後尾を案内する着ぐるみに「きみひめコーン」の名札の通り、お目当の「甘々娘」ではなさそうです。 しばらく並んでいると、列の前の方まで偵察に行った家内と娘が、両手に試食用のトウモロコシを持って帰ってきたので、いただきながら待つことに... 既に販売は開始されているようで、焼きトウモロコシやじゃがバターなどを売る屋台も出ているようです。

試食用に茹でたものは次から次へと用意されていて、味の方も十分に甘く大満足です。並んでいる間に1本分くらい試食したかもしれません。

30分くらい並んで、やっと購入できました。この頃になると、箱詰め作業が間に合わないようで、箱売りは売り切れになっていました。

バラ売りはまだまだあるようで、200本とか注文している人もいましたが、用意されているのは5本入りの袋なので40袋になります。どうやって持って帰るのでしょう? 購入数に制限はないようで、ご近所さんで分け合うのでしょうか、10箱くらいをカートで運んでいる人も何人も見かけました。

というわけで、「甘々娘」ではなく「きみひめ」という品種になってしまいましたが、とりあえず美味しいトウモロコシを確保することができました。

さて、この時点でまだ10時前...

次なる夏の味覚を求めて、少し先、山梨県北杜市にある信玄餅で有名な金精軒に向かうことに... 北杜市は、南アルプスの天然水を作っているサントリーの白州工場があることでも有名な名水の里です。 6月3日から9月30日までの土日限定で販売されている「水信玄餅」が目的です。 昨年から本店及び支店の店頭のみで販売されていて、話題性と人気もあるため11時前に売り切れてしまうこともあるそうです。

10時半過ぎに到着し、無事233番の整理券をゲットできました。その日は、300組、800個の限定だったようです。 11時からの販売で、20分くらい並んでやっと購入することができました。

お茶が付いて、1人前300円です。 寒天で非常に緩く固めてあり、味付けは少量の砂糖のみのため、本当に水を食べているような感じです。特製の黒蜜と挽きたての青大豆のきな粉でいただきます。

午前中に夏の味覚を堪能できましたが、実は、ここからは辛党のお楽しみです。 金精軒の前には、七賢ブランドの日本酒の酒蔵「山梨銘醸」があります。

この建物は、明治十三年(1880年) 明治天皇の山梨県・三重県・京都府御巡幸に際し、母屋の奥座敷が行在所(あんざいしょ)に指定され御宿泊されたそうで、現在は山梨県指定有形文化財なっていて見学もできます。

売店では、1杯目は無料で、2杯目以降は30円から100円程度で試飲できます。 が、今日はドライバーなので、家内と娘が試飲している隣で、匂いだけで我慢です。

おすすめは、一般の店舗では販売していない七賢人・生酒シリーズです。 ただし、要冷蔵なのでこの時期はクーラーボックスと保冷剤は必携です。 また、人気のあるものから売り切れてしまい、既に3種類は売り切れになっていました。 比較的安価な1000円台の「嵆康」と「阮籍」を購入して、車のトランクに積んだクーラーボックスに納めます。

毎年3月には酒蔵開放が開催され、きき酒や醸造蔵見学ができるので、チャンスがあれば是非行ってみてください。

さて、これで帰路につくわけですが、まだ帰り道には「勝沼」という誘惑が待っています。 そうです、勝沼といえばワインです。 行きつけの丸藤葡萄酒工業株式会社にお邪魔することに...

3月にリニューアルされた売店は、広くて綺麗になっていました。

2階建ての中央部分は吹き抜けになっていて、試飲スペースもちょっとお洒落になっています。

今日は、まだ時間に余裕があるので、ぶどう畑も見学していくことにします。 駐車場の脇を通って、2,3分歩くとすぐにブドウ畑です。 ぶどう狩りなどでよく目にする棚栽培でなく、ヨーロッパでよく見られる垣根仕立ての畑も見られます。

ここでも、何本かワインを仕入れて、やっと帰路につきました。 ところが、中央道が事故渋滞なので、一般道を帰ることに... 途中、新笹子トンネルを抜けてしばらく走ったところにある「笹一酒造」で一休み。ここでも家内と娘は日本酒とワインの試飲を...

サイクリスト用にこんな駐輪スペースも用意されています。 スタンドのないロードレーサなどで訪れる人が増えたのでしょうか、このタイプのものを、最近あちこちで見かけるようになりました。

さて、今回借りたレンタカーは、昨年末のマイナーチェンジで追加された日産ノート e-POWERです。 エンジンルーム内は、左側にエンジン、右側にモータというレイアウトになっているハイブリッド車ですが、エンジンで発電した電気を使ってモーターを回して走ります。 エンジン音はするものの、走りは電気自動車と同じくスムーズで、面白いことにアクセルから足を離すと、エンジンブレーキがかかったように減速できます。 そのため、車間距離を十分にとってあれば、ブレーキを踏むことなくアクセルだけでスタートから停止までコントロールすることが可能で、慣れてくればほとんどブレーキを踏むことはないです。

気になる燃費ですが、行きは高速道路、帰りは山道で、特にエコドライブを心がけることはなく、比較的元気に走らせた結果、 走行距離338.6Kmに対して返却時に満タンに要したガソリン量は16.84Lでしたので、燃費は20Km/L強となりました。通常はこれより悪くなることはなさそうなので、なかなか優秀ではないかとお思います。

では来年こそ、「甘々娘」のレポートをご期待ください。