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編集部員のリレー随筆(56)

吉野ヶ里遺跡

佐賀県にある吉野ヶ里遺跡(吉野ヶ里歴史公園内)を訪ねて、約2000年前の弥生時代に生きた日本人の祖先の生活・文化を偲びました。
遺跡地区内には弥生時代の人々が暮らした集落が再現されていて、展示館には多くの生活・文化・武器関連の品々が展示されています。

集落風景

▲吉野ヶ里遺跡に再現された集落


先ずは2100年ほど前にこの地を支配していた首長の墓遺跡を訪ねました。
墳丘墓内は展示場になっており、首長の棺(甕棺−かめかん)および棺内にあった武器・装飾品などが展示されています。

北墳丘墓説明

▲北墳丘墓の説明

北墳丘墓内(左側) 北墳丘墓内(中央)地下に埋葬された首長の棺 北墳丘墓内(右側)

▲北墳丘墓内展示場
(左側回廊)

▲北墳丘墓内展示場(中央地下)
首長の棺ー甕棺(かめかん)

▲北墳丘墓内展示場
(右側回廊)


集落内の建屋には地上の高床式と半地下の竪穴式があります。
高床式には集会場、倉庫や見張りやぐらなどがあり、住居となっていた竪穴式建屋内には多くの土器があり、食物の貯蔵に使われるものから、高貴な女性のトイレとしたものもあったようです。

高床式建屋 竪穴式建屋

▲高床式建屋

▲竪穴式建屋

竪穴式建屋内の土器

▲竪穴式建屋内の土器


集落内の中心施設として主祭殿が地上の高床式建屋で建築されていたようです。

主祭殿の説明 主祭殿建屋(高床式の上部分)

▲主祭殿の説明 (下記参照)

▲主祭殿の建屋(高床式の上部分)

主祭殿の説明看板にある記載内容:
「吉野ヶ里のまつりごとを司る最重要施設です。ここでは指導者たちが重要な事柄を話し合ったり、最高司祭者が祖先の霊に祈りを捧げる儀式などが執り行われていたようです。発掘調査の成果や古代中国の事例などを参考に高さ16m 50cmで復元しています。」

主祭殿の下の階では、首長を前に集落の幹部による諸会議が行われていて、上階では巫女(みこ)の祖先への祈りが行われていたとのことです。

政治討議の様子 巫女の祈り

▲政治討議

▲巫女の祈り


弥生時代の生活や文化・武器などの出土品の展示場があります。また大小さまざまな多くの棺(甕棺−(かめかん)も展示されています。
首長の埋葬は墳丘墓内であるが、一般人も甕棺(かめかん)で葬られるが、それらは屋外に埋葬されていたようです。

展示場(出土品) 展示場(甕棺)

▲展示場(出土品)

▲展示場(甕棺−かめかん)

屋外の甕棺

▲屋外に埋葬された一般人の甕棺


遺跡は国内最大級ゆえに全てをつぶさに見ることは時間的に物理的に出来ませんでしたが、現代人の祖先である弥生時代の人々の生活や文化の一部を垣間見られて、感慨深い一日でした。


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撮影・制作:こうなん

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