最新号
編集部員のリレー随筆(26)

愛蘭土紀行(その2) 2006.6.19〜7.2

−北アイルランド編−
作者:亜郁


今回はイギリスには滞在せず泊まらずで、すぐ北アイルランドの首府ベルファス トへ直行しました。

ロンドンヒ−スロ−空港、ダブリン空港

ついたのは第3タ−ミナル。T−1へバスで移動します。外気が冷んやりしてます。 隣の席はス−ツ姿のビジネスウ−マンで、「数独」をやってました。
「Sudoku」かと尋ねたら Yes!と。鉛筆で書いた前の回答を消して、熱心にやって ます。
終わったら、レイアウトのようなものをあれこれ書いていて、話しかける きっかけを与えてくれません。
眼下にフェリ−が見え、見覚えのあるダブリン港の大きな煙突が2本見えました。 タラップから降りて空港ビルに。ロンドンで済ませた筈の入国審査をここでもやら れました。滞在日数を聞かれただけでした。今はいい時期ですよ、と言います。で、 日本に行かれたことはありますかと聞いたら、notと。

英領北IrLの首府ベルファストへ

2、3年前?まで、北アイルランドではイギリスからの独立勢力IRAが、ベルファスト などでドンパチをやっていて、観光どころではなかったのですが、両者の協議が成 立し武装解除され、観光に行けるようになりました。
いよいよ高速M1経由でベルファストに向います。市街を出ると、なだらかな丘陵、 放牧、牧草地が連なってのが見えます。きれいなせせらぎ。牧草のロ−ル。  バス停の建物がある大きな町に到着。バスのドアが開きません。通り掛かったお父 さん二人が開けようとしてますが開きません。客も騒ぎません。やっと開いて、 下車する客。どうやら、車両を交換するようです。
2時過ぎ、前方の山裾に茶色い屋根のベルファストの町並みが見えてきました。屋根 の上には暖炉のチムニ−が見えます。イギリスだなと思いました。

ベルファストで先ずは、ギネスとアイリッシュシチューを

2時半、欧州バスセンタ−に到着。お腹がすいているので、料理を出すパブに入り ました。出るのは3時までです。ガイドブックに紹介されていたCrown Liqour Saloon に滑り込みセ−フでした。ここは、北IrLで最も有名なパプの一つで、外観、 内装ともにヴィクトリア王朝風で統一している、夕方になると賑わうとありましたが、 この時間ではすいていました。

ギネスとアイリッシュ・シチュ−を注文。温かいのがすぐ出てきました。 宿へ行きます。Helga Lodge Guest House。入ると、中国系の顔つきのホストが出て きました。Kimさんでした。

Helga Lodge Guest House
 
アイリッシュ・ブレックファスト
(Helga Lodge Guest House)
(アイリッシュ・ブレックファスト)

ベルファスト第1夜は、Robinson'sとHotel Europe のThe Robby Barでギネスでした。 8時前には眠ったようです。

電車とバス利用の1日券で、世界遺産登録のコ−ズウエイ海岸へ

今日は、世界遺産に登録されているコ−ズウエイ海岸へ行こうと思います。巨大な 六角柱の岩がびっしり縦に詰まって並んでいる奇観です。小規模なのは、日本でも 見ています。
チケット購入まであれこれありましたが、電車とバスで回ることになりました。 コレラインで下車し、路線バスで先ずはブッシュミルズ醸造所へ。 1時、小さな町に着きました。こんな辺鄙な所によく醸造所を造ったものだと思い ました。
ビデオが写され、Pioneerと出てきました。1608年にジェ−ムス1世によって認可を 受けた世界で最古のウイスキ−蒸留所です。
見学は、タンクのある部屋を2、3と、倉庫です。樽が7段に積み上げられていました。 「To buy Whiskey is to buy Time」などと偉そうに言ったら、Yes ! Yes ! と。

ブッシュミルズ醸造所の樽
 
Bacon sausage
(ブッシュミルズ醸造所の樽)
(Bacon sausage)

次は瓶の箱詰の行程でした。これでIrLのピ−ル工場とウィスキ−工場を見学した ことになります。

世界遺産「コーズウェイ海岸の大規模柱状節理」を見る

バスに6分乗って、海岸の案内所などのある所に着きました。前方に白波が寄せて いるのが見えます。海岸までシャトルバスが出ていました。巨大でその数の の多さに圧倒される六角柱がびっしり密着して立っている海岸に着きました。 その柱は一辺が数十cmもあり、高さは20m以上もあります。その柱が数千本、数万 本も海岸に林立しているのです。これは、溶岩が冷却する時の体積収縮によって 出来たものだそうです。
小雨が降り、強い風も吹いていたので、柱をバックにした私の写真を撮ってもらい、 早々に引き上げることにしました。

柱状節理と筆者
(柱状節理と筆者)


バス停近くにはナショナルトラストや○iの建物があり、土産物などを売っていま す。数分離れたバス乗場から乗ったのは、6人だけでした。

ベルファストへ帰るバスからの風景

車内は暖かくて、半袖姿にはありがたかったです。 大きな虹が出ました。海から上がって海へ落ちてます。3分で消えました。 最後は晴となりましたが、1日中降ったり、止んだり、時々、晴れという変な天気 でしたが、これが当地の典型的な気象なのだと思います。 その晩は、おとなしく買物をして帰宿でした。

湖水地方のエニスキレンへ

4時起床。今日は先ず、エニスキレンへ行きます。上・下のア−ン湖の中間に位置 する北IrLの湖水地方の中心です。
  城は博物館となっていますが、城の方へ行くと、エルネ川に面した城のシンボル ともいえるウォ−タ−ゲ−トがあり、砲門用のはざまが穿ってありました。

エニスキレン城
(エニスキレン城)

この後、ガイド本にあったクロウズ・ネストというパブで昼食です。鶏の唐揚げと サラダ、チップスとギネスです。飲むのはいいのですが、車中で催してくることを 考え、あれこれ対処法がメモしてあります。
途中、問題なく欧州バスセンタ−に戻れました。

城塞都市ロンドンデリ−

5時前に着いて、先ずは城塞を歩きました。城塞の幅は数mから10m位、高さも地上 から10m位、壁高は2m、一周1,600mあります。城塞に登る階段(門)は7箇所あります。 万里の長城がいともた易く、蛮族に乗り越えられたのに対し、この城塞は、3度の 包囲戦に耐え、特に1688〜89年には、105日間の猛攻に耐え抜いたとか。

城塞都市ロンドンデリ−
(城塞都市ロンドンデリ−)

斜面上に建っているので、アップダウンがあります。シップキ−ゲ−トという階段 近くには大砲が5門置かれていました。

バ−で「庭の千草」を歌う

ロンドンデリ−で飲まない手はないと、パブを探したら、「Rocking Chair」とい うバ−があったので入ると、客が4、5人いて、ピアノが置いてありました。 左席のおじさんがピアニストでした。ロンドンデリ−(ダニ−ボ−イ)をリクエス トしました。
その後、The last rose of summer を歌うことになりました。 1番で終わろうとしたら、間奏が入り、もう一度歌えと言います。去年のコ−クの 時は若い人が多くて、やんやの喝采でしたが、ここは初老の人ばかりで、パラパラ の拍手だけでした。
ギネスを奢ったら、名前を書いてくれと言い、以下の文を書いてくれました。  I John Walsh Piano Player Rocking Chair Bar Danny Boy L/Derry Air played this 22nd June for Mr Kogare   J Walsh
右隣のおっちゃんが、何やら話しかけてきましたが、分かりません。バ−マンが Thank you を日本語で何というかと言います。Arigatoh ! と書きました。
£2.3×2 を置いて、握手をしてバイバイしました。
 帰りの車内で、バ−でのことを思い出しつつ、「人と人との関わりの中で感動や 感激が生れる」なんてメモがありました。デリ−を後半にしたのは正解でした。

ベルファスト市内見物後、ダブリンヘ

今日はベルファスト最後の日。まだ、市内の見どころを歩いていません。 一昨日、ギネスを飲みに入った店のすぐ先にあるグランド・オペラハウスは後部が 改装中でした。少し中を覗いたら高い天井と舞台が見えました。

Belfast City Hall
 
Belfast City Hall 内部
(Belfast City Hall)
(Belfast City Hall 内部)

City Hall 堂々たる市庁舎の建物です。特徴的な中央のド−ムは高さが53m ある とも。1Fを少し見て回っただけ。見学には事前予約が必要とか。
レンガ造の壁の St.Jeorges Marcket に入りました。外壁は重厚ですが、中は簡易 な造りでした。

St.Jeorges Marcket
 
St.Jeorges Marcket 内部
(St.Jeorges Marcket)
(St.Jeorges Marcket 内部)

1時半、ダブリンのバスセンタ−に到着しました。(to be continued)




作者:亜郁  制作協力:ひろさん


編集部員リレー随筆リスト
最新号