四 脚 門   棟柱・繋貫式の例

四脚門 棟柱・繋貫式の構造 モデル:妙本寺 惣門
 (必ずしも建築の順序とは関係ありません)
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棟柱・繋貫式の事例 (7種類の様式の中では一番簡単な構造です。)


寿福寺の惣門は17世紀中期のもので、禅宗様です。
現在は瓦棒がつく銅板葺の屋根ですが、寛政二年(1790)の境内図によると茅葺であったとのことです。
他の多くの門と同様、修理が行われており、のちの時代の材料が含まれています。
本柱の一番上につく木鼻、「ます」の上に乗る実肘木(さねひじき:ますの上にあり、横に伸びた支えの木)、屋根の側面に下がっている懸魚(げぎょ)などは建立当時のものとのことですが、本柱と控柱を繋ぐ頭貫や控柱同士を繋ぐ頭貫は幕末から明治にかけて取り替えられたものだそうです。


寿福寺の中門は、明治時代にここに移築されたものだそうですが、門そのものは17世紀後半のものとのことです。禅宗様ですが、全体に「軽い」印象の門です。
関東大震災で全壊したため一部に新しい材料が使われています。
「壽福金剛禅寺」の額を掲げます。



大慶寺の山門は17世紀中期のものです。茅葺で切妻の屋根の禅宗様の門です。
当初からの部材は柱と頭貫あたりで、残りの多くは明治以降のものとのことです。



雲頂庵の山門は、17世紀末ころのものですが、幕末に大改修がなされているとのことです。禅宗様です。



妙本寺の惣門は18世紀中期の建立です。屋根は銅板葺で、瓦棒がつきます。
禅宗様で、本柱は一尺六寸、控柱も一尺四寸の太い材を用いた堂々とした門です。