鎌倉にゆかりのある方にお話を聞く…第32回 My 鎌倉
今月のゲスト
中富みささん(フラダンス教室主宰)

大好きな七里ガ浜で、魅力が語り尽くせない「フラ」を踊れる幸せ。

9年前、フラダンスの美しさに魅せられ、いつしか教える立場になっていたという中富さん。現在、七里ガ浜で週6日、5歳〜60代まで30名の生徒さんにフランダンスを教えている中富みさんに、フラの魅力、鎌倉の魅力について伺いました。
[01.6.10 七里ヶ浜の自宅にて]

なかとみ・みささんのプロフィール

フラとの衝撃的な出合い。 そして、フラが起こす“マジック”

 フラとの出合いは衝撃的でしたね(笑)。あるパーティーで、娘たちに簡単な手の表現「さかな」「ほし」「たいよう」を教えてくださっていた方がいたんです。綺麗でしたねぇ。なにせ、結婚式をマウイ島で挙げたほどハワイ好きなのに、フラダンスはタヒチアンダンスのようなものだと思っていましたから(笑)。またその方の優雅で美しいフラを目の当りにしたとき、非常に感動しました。
 それでさっそくフラを習い始めたんです。そして2年ぐらいしたら、また衝撃が(笑)。今までの私のフラをガラリと変えるクム(師)トニー・タウベラ先生と出会ったんです。歌の意味、ハワイ語の説明、歌の背景などを教えてもらって踊るフラは、今までのものとは全く違うものになりました。もともとフラダンスというのは、ハワイの人が神々との交信に使ったり、唄に託されている意味を踊りで表現するためのものだったので、手の動きはとっても意味があるんです。
 それに、「スマイル」も、「太陽が眩しいけど、気持ちがいい」のスマイルと、「あなたが好き」のスマイルは表情が変わりますよね。歌を理解して踊ることの大切さを感じました。
 歌の理解をより深めるために、今は週に一度、ハワイ語の勉強を生徒さんと自習学習しているんですが、難しくて…(笑)。日本語とも、英語とも全然違う言葉なんですよね。それでも、文化は日本に通じるところが多いようで、「年上を敬う」「礼儀を重んじる」「おもてなしの心」など共通するんですよ。知り合いになると、ファミリーとして受け入れてくれる温かさもありますし。

 フラの魅力…それは、やってもやっても奥が深すぎで、これでいいということがないほどハマってしまうところかしら(笑)。
 それと、私がフラを教えるようになったり、ハワイについてもっともっと知りたいと思ってからいろいろな“マジック”に出会えたり(笑)。
 例えば、カウアイ島へ、フラの神様をお参りに行った時のこと。お参りする前に“ポハク・ラカ”(フラの神様が宿っている石)を海で洗い、自分達も禊ぎ払いするのですが…。その場所に着く前は雨が降って、海がとても荒れていて入れそうもなかったんです。
それが、“知識の鳥”として大切にされているフクロウに会ったかと思うと、今までの雨がウソのように小やみになり、綺麗な海で“ポハク・ラカ”を洗うことができ、フラを踊る頃には晴れて空が桜のようなピンク色になったんです。まる で神様に「welcome, Japanese! 」と言われているようでした(笑)。
 ビッグアイランドのハレマウマウにペレをお参りしたときも、チャント(詠唱)を捧げたいけど観光客が多くて「どうしよう」と思ってたんです。だから心の中で「神様、私にチャントを捧げさせてください」とお願いした途端に、ひとっ 子一人いなくなって心の底からペレにチャントを捧げることができました。とても感動して涙があふれました。

 カウアイ島や、ビッグ・アイランドでは神様の存在を感じることができました。空の色、鳥の声、風のそよぎなど神の「ここにいるよ」っていう声が聞こえるようなんです。これは、一緒にハワイに行った生徒さんたちも言っていましたね。ハワイに行ったことのある方なら、何かしら自然の中で何かを感じるのではないでしょうか。


夢は、教室が3歳になった時にみんなでハワイに行くこと


「神が住んでいると思っている」ハワイには年に1度は訪れるそう


「絶対に人のウクレレは弾かない」というピーター・ムーンさんが弾き、サインまでしてくれたウクレレ

海あり、山あり。自然たっぷりの鎌倉が大好き! 「My鎌倉五景」まで決めてしまいました(笑)

 鎌倉って、いいですよね。海あり、山あり、それでいて都心にも近い…。といっても、今は東京に出たいという気持ちは全然ないんですけど(笑)。
 私の決めた「鎌倉五景」があるんですよ。
 まず一番目は、冬の朝、稲村ケ崎公園のあたりから見える雪を冠った富士山! 由比が浜方面から車で134号線を走っていると、急にバ〜ン!と視界が開けて見える富士山は最高です! この富士は日本一だと思いますね(笑)。「日本百景」にも入る景色だと思います(笑)。
 二番目は、七里ガ浜のプロムナードから海に向かった時に見える黄金色の海! それも冬が綺麗ですね。
 三番目は、稲村を抜けたあたりから見える少々雲がたちこめたような日の三浦半島。朝早く134号線を走りながら見るこの景色は私にはどうしてもハワイのワイキキビーチからダイアモンドヘッドにかけての景色に見えるんですけど…、あまり同調してくれる人がいなくて(笑)。
 四番目は、天園ハイキングコースの半僧坊の上あたりから一望できる鎌倉の色。
 最後は、場所の説明がちょっと難しいのですが、鎌倉山の上から見た大パノラマ! ここからは、東京湾から相模湾が一望できるんです。
 こんな素晴らしい景色を見た時は「あ〜、ここに住んでいて良かった!」って思 いますね。

 あとオススメは、8月最終の土日に行われる七里が浜の夏祭り。七里ガ浜がハワイに変わりますから、ぜひ来てみてください。プロムナードに屋台が並び、ビヤガーデンが作られ、それはとってもハワイアン!!(笑)。 七里が浜ってハワイに似たところがあると思うんですよね。海があり、サーフィンやフラ、ウクレレが盛んで…。

 お寺では、『妙本寺』や“竹のお寺”で有名な『報国寺』が好きですね。人がいなくてシンと静まりかえった感じがいいですね。いつもは混んでいるんですか? また「フラマジック」かしら?(笑)

 鎌倉市に感謝しているのは、芸術に対してとても協力的なところです。フラを教えているのは、現在自宅が主体なんですが、5名ぐらいが精一杯で、それ以上多くなると公民館や公共の施設をお借りしているんです。使用料がとても安かっ たり、無料だったりして、たいへん助かっています。お世辞ではありませんよ(笑)。


写真は中富さん「鎌倉五景」の第一位


写真は中富さん「鎌倉五景」の第二位


写真は中富さん「鎌倉五景」の第三位

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