今月の庚申塔めぐり

−(19) 寿福寺−



所在地●庚申塔は、鎌倉五山の一つ、寿福寺の門前にあります。


●寿福寺はいまさら説明する必要はありませんが、今回、地点No.15「旧巨福呂坂」で、青梅聖天に関し実朝とお茶について触れましたので、寺宝の栄西著「喫茶養生記」(重要文化財、鎌倉国宝館に寄託とのこと)についてご紹介しましょう。

●「喫茶養生記」は、「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり。」ではじまります。
そして、人がこの世に住み始めた頃は天人と同じように健康・頑強であったが、時代が下がるに連れて脆弱になってしまったと、憂いています。(いつも同じなのですね。)
そこで、健康を保つには、内臓の五つの器官、とくに心臓を健康にすることであり、そのためにはなんといっても喫茶が一番いい方法であると述べています。その「苦味」が心臓にいいそうです。
そして、茶の効用として「其の茶を飲むは、酒を醒まし、人をして眠らざらしむ」と。
下巻になると、当時の”現代病”について触れています。
そこには、「飲水病」(喉の渇く病気?)、「中風」、「不食の病」(食欲不振?)を挙げ、これらは皆寒気によって起こるとしています。さらに「瘡病」(かさのやまい)や「脚気」(晩に食べ過ぎることが原因だそうです。限られた上流の人々のことでしょうか。)を挙げています。当時の人々がどんな病に悩んでいたかの一端がわかります。

以上、日本の禅語録(ー)栄西(講談社)によりました。
庚申塔の概要5基
  • 角柱であるが、笠塔婆型と推定、「奉請供養」と刻む。
  • 駒型、上辺に日月、中央に「庚申供養」と刻み、下辺に三猿。
  • 板状角柱、上辺に日月、中央に合掌六臂の青面金剛像、下辺に三猿。
  • 板碑型、上辺に日月、ついで、種子(阿弥陀如来)、中心に「奉供養庚申」と刻み、下編に三猿。
  • 尖塔角柱、「庚申塔」と刻む。
庚申塔の現状5基
記録の通り保存されています。(平成14年7月2日)
全  景
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更新日2004.1.21

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