仏      殿


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仏殿について

     現在の仏殿は、棟木から、元禄四年(1691)の建立と分かっているとのことです。

     仏殿は、桁行き(正面)、梁行き(奥行)とも三間で、約 6.4 メートルです。、中央の柱の間と、両脇の柱の間は3対2で、禅宗様に倣っています。中央正面は桟唐戸で両開き、脇は火灯窓(花頭窓などとも)です。他の主なところは堅板張りです。

     外側は、柱の上部が粽の丸柱で、地覆・腰貫・内法貫・飛貫・頭貫で、上に台輪が載ります。斗栱は、正面で見てみると、柱の上が実肘木付きの三斗です。柱と柱の間の中備の斗栱は、中央が二組の拳鼻付三斗で、両脇は三つ鱗の付いた蟇股です。この蟇股は禅宗様にはないものです。

     内部は、土間に鎌倉石を敷き詰め、中央に一間の身舎があり、その後面は来迎柱が立ちます。厨子を置き、その前方には、禅宗様の仏壇があります。厨子には阿弥陀如来坐像と勢至菩薩と観世音菩薩が祀られています。他には、蘭渓道隆の坐像、位牌などもあります。

     新たに取り替えられて部材も多いようですが、大瓶束の下の部分にある結綿や、大瓶束の上の頭貫の木鼻などから、江戸時代の初期と推定されています。

     前面の柱と来迎柱を繋ぐ大虹梁があり、大瓶束を立てて身舎の前の端を受けています。来迎柱と大瓶束は頭貫・台輪で結ばれ、その上に三斗が載ります。身舎の斗栱と側廻りの丸桁の間を海老虹梁で繋いでいます。

     中央には、本尊の阿弥陀三尊 (県重要文化財) が祀られ、天井は鏡天井で、狩野雪信の作の雲竜が描かれています。
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鎌倉シチズンネット会員:高山幸久氏撮影(鎌倉シニア通信 2002年4月号取材より)